http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20100203k0000m070124000c.html
発信箱:推定有罪との闘い=磯崎由美(生活報道部)
2年目の「派遣村」への風当たりは厳しいものになった。国と東京都の公設で職や住まいを探す利用者に約2万円を渡したが、もらったまま寮に戻らなかった人や飲酒した人がいたと報じられ、インターネット上では派遣村不要論が沸き起こっている。
駆け込んだ約800人の多くは今回の取り組みにより、生活再建への足がかりをつかむことができた。一方で、支給されたお金で飲酒して強制退寮になったのは1人。当初200人を超えるとされた無断外泊問題も、寮の電話番号を伝えていなかったことが一因だったようだ。
それでも「失敗」にばかり目が向くのは「派遣切りされた労働者だけでなくホームレスが交じっていたのでは」との考えがあるからだろう。
「自己責任論の人たちは、生活できない人にはそれだけの理由があると思っている。だから何か落ち度が見つかると、ほらみろ、と」。昨冬の派遣村で村長を務めた湯浅誠さん(40)は野宿者支援を始めた15年前からずっと、そんな「推定有罪」の意識との綱引きを続けてきた。
民主党政権で内閣府参与に招かれた湯浅さんは改めて思い知らされたことがある。就労支援や生活保護申請の窓口を一本化するワンストップサービスを実施する際、ある首長に「ホームレスが来るならやらない」と言われた。「失業者」がそのまま職も住まいも見つからなければ「ホームレス」になるというのに。
行政は「失業対策」はしても「ホームレス対策」には消極的だ。「その区別は社会の中にある。世論が変われば政策がついていく」。湯浅さんはこれからも貧困の現場で地道な活動を続けていくという。
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