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『生活保護で生きちゃおう!』刊行のお知らせ

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2013-10-30 22:04

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『生活保護で生きちゃおう!』刊行のお知らせ

マンガ付きでわかりやすい生活保護に関する本ができました。
〈もやい〉の活動にボランティアとして参加されている漫画家のさいきまこさんがマンガを担当されています。

ぜひご購入ください。また、地元の図書館でリクエストをしてくださるとありがたいです。

下のバナーよりアマゾンのページに入ることができます。



*****************

『生活保護で生きちゃおう!−崖っぷちのあなた!死んではダメです。』

雨宮処凜・和久井みちる/文 さいきまこ/漫画
生活保護利用者の皆さん/座談会

発行:あけび書房

発行日:2013年10月25日 概要:A5版・130頁

価格 1冊1,200円(定価:1,260円税込)

困ってる方のための手引きです。
生活保護を利用して、
安心して、前向きに生きてみませんか?

目次
1章●生活保護利用者の座談会
生活保護を利用して、良かった!
伊藤吉雄/須釜直美/林まさき/松田知花/和久井みちる
生活保護利用に至るまで
生活保護を利用してみて
「子どもはつくるな」はつらかった
依存症という病気を受け入れられて
「生保のくせに」って言われると
やっぱり、生活保護を利用して良かった!
困っていたら、迷わずに相談を
本当の「自立」のために生活保護を!

2章●生活保護申請の手引き
生活保護で生きちゃおう!
文/和久井みちる 漫画・イラスト/さいきまこ
生活保護費が引き下げに!
生活保護法も改悪に!
さぁ、生活保護を利用しましょう
生活保護の8つの扶助
生活保護はどんな人が利用できるの?
申請するときはどこへ行くの?
申請の手続き。持っていくもの、聞かれること
生活保護の決定まで
生活保護になると、何がどうなるの?
生活保護でも夢は見られる!
相談窓口一覧

漫画
生活保護って実はカッコいいニャ?!
生活するって大変ニャ?!
バッシングしているキミこそ「利用」するニャ?!
「水際作戦」を乗り越えるニャ?!
安心して生きていこうニャ?!

3章●心から訴えます
いま、改めて「生きさせろ!」
雨宮 処凛
そして、再発見された「貧困」
「社会の底が抜ける」ということ
SOSを発信できない人
「死なない方法」はわかったけれど
だからこそ、今

 

 

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『間違いだらけの生活保護「改革」』刊行のお知らせ

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2013-8-27 18:53

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『間違いだらけの生活保護「改革」』刊行のお知らせ

生活保護問題対策全国会議が編集した『間違いだらけの生活保護「改革」−Q&Aでわかる基準引き下げと法「改正」の問題点』が刊行されました。

生活保護基準の引き下げや生活保護法「改正」の問題点がQ&A方式でわかりやすく説明してあります。
ぜひお買い求めください。

下のバナーよりアマゾンのページに入ることができます。



『間違いだらけの生活保護「改革」
−Q&Aでわかる基準引き下げと法「改正」の問題点』


生活保護問題対策全国会議 【編】
発行:明石書店
発行日:2013年8月下旬 概要:A5版・157頁
価格 1冊1,200円(定価:1,260円税込)


8月から実施された、かつてない規模の生活保護基準引き下げ。
生活保護を利用する者も、利用しない者も大きな影響を受けるこの引き下げの何が問題なのか!?

そして、秋に再提出が予定されている生活保護法改正法案をはじめとする
生活保護制度改正は「改正」と呼べるものなのか!?
――これらの疑問にQ&Aで答える。

推し進められる「改革」の実態を伝える、コンパクトでわかりやすい一冊!

*目次

序章  間違いだらけの生活保護「改革」
● なぜ、生活保護制度が見直されるの?
● 生活保護「改革」どこが「間違いだらけ」なの?

第1章 Q&A:生活保護の誤解と利用者の実像
● 生活保護基準引き下げって、どんな内容?
● 生活保護基準の引き下げで、生活保護を利用している世帯の保護費は具体的にどれだけ減るの?
● 生活保護基準部会の検証結果を理由に生活保護基準を引き下げてもいいの?
● 物価下落(デフレ)を理由に生活保護基準を引き下げてもいいの?
● 保護基準の引き下げは、生活保護を使っていない私たちには関係のない話でしょ?
● そもそも生活保護基準(ナショナルミニマム)って、どうやって決めるべきなの?
● 生活保護基準引き下げに不服があれば、どうすればいいの?

〔論考1〕デフレを理由に生活保護基準を引き下げてよいのか(池田和彦)

〔論考2〕絶対おかしい生活扶助相当CPI(白井保彦)

第2章 生活保護法の「改正」
● 生活保護法の「改正」などで生活保護制度が大きく変わると聞いたけど、どう変わるの?
● 生活保護法「改正」で申請手続きが厳格化されると聞いたけどどうなの?
● 生活保護法「改正」で親族の扶養が強く求められるようになると聞いたけど、どうなの?
● 働ける年齢層の人に対する就労指導が厳しくなると聞いたけどどうなの?また、働いたことが利益になるようインセンティブを強化すると聞いたけど効果はあるの?
● 生活保護法「改正」で、医療機関への管理が強まり、後発医薬品の利用が強制されると 聞いたけどどうなの?
● 生活保護「改正」で不正・不適切受給対策が強化され、不正受給の徴収金が増額され、保護費から「天引き」できるようになるの?

〔論考〕人権保障の時代に生活保護はどうあるべきか(井上英夫)

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書評:『飼い喰い―三匹の豚とわたし』(内澤旬子)

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2013-8-20 23:22

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〈もやい〉関係者のお薦め本をご紹介させていただいています。

『飼い喰い―三匹の豚とわたし』 内澤 旬子著 岩波書店 2012年

 



この本は、著者が自ら豚を飼い、日々をともに過ごし、餌をやって太らせ、肉にして食べるまでを綴ったルポルタージュである。
廃屋に豚小屋を建設し、受精、分娩から立ち会った3種類の豚を迎え入れ、慣れない豚飼いに奮闘する日々、いざ出荷の日を迎え、自分が苦労して育てた3匹の豚がトラックで屠畜場に運ばれて解体されるまでの様子が、素朴なイラストとともに平易な文章でわかりやすく描かれている。

驚いたのは、3匹に名前をつけてしまったことである。
食べ物としての豚が大好きな私にとって、食べるために豚を育ててつぶすことに何の抵抗もないが、名前をつけてしまったら、その時点でその豚は「豚肉」ではなく、家族かペットになってしまうのではないかと思ったのだ。
農家の庭先で数匹の豚を飼うことが珍しくなかった時代ならいざ知らず、肉が肉屋やスーパーで買える時代に、本を書くためにわざわざ、ペットとしてかわいがった後につぶすというのは、ちょっと悪趣味なのではないか……。

しかし、動物の愛玩と食肉利用の境界は、それほど明確で堅固な壁で隔てられているのだろうか、と著者は疑問を投げかけている。実際、屠畜に携わる人の口からも「豚はかわいいよ」という言葉が聞かれる。

本書では、著者の3匹の豚との奮闘記と並行して、大規模養豚農家、飼料会社、獣医師、屠畜場、精肉業者、卸業者などへの取材内容も盛り込まれ、私たちが日ごろ口にしている食肉が、どのような施設でどのような飼料を与えられ、どのように出荷され捌かれスーパーに並べられるのかについてもつまびらかにしている。

残念なのは、紙幅の多くが豚を飼うための段取りや屠畜から「食べる会」までのドタバタに費やされ、自分で育てた豚を食べることへの感慨や考察が十分に書ききれていないことである。

著者はかつて、食べるために動物を殺して肉にする「屠畜」という行為が、社会的にどのように認知されているのか、その国・地域による違いに関心を持ち、世界各地の屠畜現場を取材してきた経験を持つ。屠畜をめぐる社会的・文化的・歴史的背景に関心がある方は、その取材をまとめた『世界屠畜紀行』(解放出版社、2007年)のほうをおすすめする。

日本などいくつかの国・地域では、屠畜という行為や、その仕事に携わる人々が、差別され忌み嫌われてきた歴史がある。この本ではそのような差別意識、忌避意識が今なお根強く残っていることを示すと同時に、屠畜現場の生き生きとした描写でもって、そのような忌避感や偏見を軽減することに寄与しているといえる。

(加藤歩)

 

 

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『子どもに「ホームレス」をどう伝えるか: いじめ・襲撃をなくすために』刊行のお知らせ

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2013-7-21 2:04

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ホームレス問題の授業づくり全国ネットの授業実践をまとめた
『子どもに「ホームレス」をどう伝えるか: いじめ・襲撃をなくすために』
が刊行されました。
〈もやい〉の稲葉剛も編集に協力しています。
ぜひ普及にご協力ください。

下のバナーよりアマゾンのページに入ることができます。



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子どもに「ホームレス」をどう伝えるか: いじめ・襲撃をなくすために



生田 武志 (著), 北村 年子 (著), 一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット (編集)

発行:一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット
発売:太郎次郎社エディタス

四六判 216ページ 並製
定価:1,200円+税
ISBN-10: 4811840712
ISBN-13: 978-4811840710
発売日: 2013/7/23

*注文書PDF
http://class-homeless.sakura.ne.jp/101_index_img/hc_book_ordersheet.pdf

『どうしてあんなところに人が寝ているの?』
子どもの疑問になんと答えますか。大人から植えつけられた偏見によって起こる「ホームレス」襲撃。
大人は「ホームレス」とどのように向きあい、子どもたちに伝えればいいのか。
問題を丁寧に解きほぐし、捉えなおす実践の記録。
中高生や教員向けに行なわれた講演3本を収録し、「すぐに使える発問例集」や資料も充実。


生田 武志

一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット代表理事。『フリーターズフリー』編集発行人。野宿者ネットワーク代表。大学在学中から釜ヶ崎の日雇い労働者・野宿者支援活動にかかわる。2000年、群像新人文学賞評論部門優秀賞受賞。2001年から各地の小中学・高校などで「野宿問題の授業」を行なう。著書『<野宿者襲撃>論』(人文書院)、『ルポ
最底辺 不安定就労と野宿』(ちくま新書)、『貧困を考えよう』(岩波ジュニア新書)、『おっちゃん、なんで外で寝なあかんの?
こども夜回りと「ホームレス」の人たち』(あかね書房)など。

北村 年子

一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット代表理事。ノンフィクション作家。自己尊重トレーニングトレーナー。子どものいじめ・自死をなくしたいと十代200人を取材したデビュー作『少女宣言』が話題をよぶ。1990年、釜ヶ崎「こどもの里」に出会い野宿者支援にかかわる。2010年、女性人権活動奨励賞・やよりジャーナリスト賞受賞。著書『「ホームレス」襲撃事件と子どもたち
いじめの連鎖を断つために』(太郎次郎社エディタス)、『ま、いっかと力をぬいて 幸せなママになるレッスン』(赤ちゃんとママ社)など。

一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット

http://class-homeless.sakura.ne.jp/

一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット(略称:HCネット)は、子どもや若者たちによる「ホームレス」襲撃を防ぐために、支援者・教員・ジャーナリストなどによって2008年4月に結成された団体です。「襲撃・いじめ」といった、子どもたちとホームレスの人々の「最悪の出会い」を、希望ある「人と人としての出会い」へと転換していくために、襲撃・いじめ問題を解決するための取りくみや、学校での「ホームレス問題」の授業・教育活動の実施、教材作成などに取りくんでいます。




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『陽のあたる家 生活保護に支えられて』(さいきまこ)の連載が始まりました。

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2013-7-11 10:28

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漫画家のさいきまこさんが「生活保護」をテーマに描いた
『陽のあたる家 生活保護に支えられて』の1回目が、
月刊誌「フォアミセス」8月号(秋田書店)に掲載されました。
3回の短期集中連載で、9月号・10月号にも掲載されます。

次回8月3日発売の9月号では「水際作戦」と「スティグマ」について、
最終回9月3日発売の10月号では「保護費引き下げの他制度への影響」が描かれます。
 
この作品『陽のあたる家 生活保護に支えられて』には、
〈もやい〉と生活保護問題対策全国会議が取材協力をしています。
ぜひご一読ください。
 
 
 

「フォアミセス 2013年8月号」

衝撃のシリーズよみきり第1話!!
先の見えない今だがら、知っておきたい「生活保護」のこと!!
 

『陽のあたる家 生活保護に支えられて』

さいきまこ
 
ささやかながら幸せな生活を送っていた一家を、突然襲った悲劇…!!
ある日、夫が倒れ、収入が絶たれ…!?
 
 http://www.akitashoten.co.jp/formrs

 
 
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『新宿ダンボール村: 迫川尚子写真集1996―1998』刊行のお知らせ

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2013-5-1 15:03

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1996年から1998年まで新宿駅西口地下広場に存在した路上生活者のコミュニティ、
通称「新宿ダンボール村」を撮った迫川尚子さんの写真集が刊行されました。
〈もやい〉代表理事の稲葉剛が、「新宿ダンボール村の歴史」という解説文を寄稿しています。
ぜひご覧ください。

刊行記念写真展
BIBLIOPHILIC & bookunion 新宿(4月26日〜5月31日)
ビア&カフェBERG(5月1日〜5月31日)など
 
 
写真集紹介動画
http://www.youtube.com/watch?v=sMWFB8ayPT4
 

↓下のバナーよりアマゾンのページに入ることができます。
 
 
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『新宿ダンボール村: 迫川尚子写真集1996―1998』

 
単行本: 231ページ
出版社: DU BOOKS (2013/4/26)
ISBN-10: 4925064762
ISBN-13: 978-4925064767
発売日: 2013/4/26
 
 
森山大道をして、「新宿のヴァージニア・ウルフ」といわしめた
ベルク副店長兼写真家、迫川尚子、待望の第2作。
 
新宿に出現した段ボール村に毎日通いつめ、撮影した貴重な記録。
いま、見えなくされたホームレスたちの姿が、ここにある。
 
都庁を建て、使い捨てにされ、
その近くでひっそり暮らしていた。
「動く歩道」ができて、排除された。
ふだんお互いに関わりを持たない、
路上生活者が、その時ばかりは身を寄せあい、
新宿駅西口改札前広場に段ボール村が出現した。
2年間にわたり彼らは自分たちの存在をアピールした。
 
【帯の言葉】
 
「JRと私鉄各駅をあわせた新宿駅の1日の乗降者数は約326万人。
かつてここに『ダンボール村』と呼ばれるコミュニティがあり、
200人近い人々の暮らしが営まれていたことを
記憶に留めている人はどれだけいるだろうか。」
― 稲葉剛(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい)
 
「何か大きな事件がある時だけにやってくるカメラマンとは違い、
どうやら私は毎日顔を出すし、出されたお菓子は全部食べるし、
猫と勝手に遊んでいるし、まあほっとくか、と住人たちもそのうち
私の存在やカメラを気にしなくなってくれたようです。」
― 迫川尚子
 
【著者】 迫川 尚子
写真家。新宿ベルク副店長。
種子島生まれ。女子美術短期大学服飾デザイン科、現代写真研究所卒業。
テキスタイルデザイン、絵本美術出版の編集を経て、1990年から新宿「BEER&CAFE BERG (ベルク)」の共同経営に参加。
ベルクの商品開発とスポークスマン、壁の展示、人事等を担当。
利き酒師、調理師、アート・ナビゲーターの資格を持つ。
日本外国特派員協会会員。
1年365日ベルクに勤務する一方、すきを見てはカメラを持って新宿、東京の街をさまよう。
写真集に『日計り』(新宿書房)。
森山大道いわく「新宿のヴァージニア・ウルフ」。
2009年から早稲田文学「WB」の表紙写真を担当。
2013年より現代写真研究所講師に。
 
カラオケの十八番はユーミンの「雨の街を」。
日課は半身浴しながら映画のDVDを観ること。休肝日は週4。
愛機/ライカM4、リコーCaplioGX8
 
「写真とベルクのあいだで」迫川尚子公式サイト
http://berg.s1.bindsite.jp/sako/
 
 
 
*****

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『生活保護とあたし−生活保護のありのままの世界』(和久井みちる著)刊行のお知らせ

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2012-12-15 0:21

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あけび書房より、『生活保護とあたし−生活保護のありのままの世界』
(和久井みちる著)が刊行されました。

http://www.akebi.co.jp/
 
生活保護問題について考えてみたい方は必読です。
ぜひご一読ください。
 
下のバナーよりアマゾンのページに入ることができます。
 

 
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生活保護とあたし

 −生活保護のありのままの世界

 
和久井みちる/著
雨宮処凛[推薦]
 
四六判/176頁  2012年12月発行
1,400円(税別)
 
ISBN978-4-87154-112-1
 
「あたしたちは怠けものではありません。まずは、あたしたちの日常をのぞいてみてください」
DV夫から逃れて、そしてウツ病のために仕事もできず、生活保護になった筆者。前向きに、ひたむきに生きる筆者がありのままにつづります。怒りと涙、でも、ユーモアと優しさ満載!
 
生活保護バッシングのウソがよく分かります。
生活保護切り削りが全国民の社会保障切り削りにつながること、生活保護バッシングの真の目的もよく分かります。
 
目次はこちらでご覧になれます。「はじめに」「おわりに」の内容も読むことができます。
http://www.akebi.co.jp/html/tosyo/112seikatuhogoto-mokuji.htm
 
雨宮処凛さんが「今、私たちが知っておくべきことがこの本にはつまっている。『生きるってなんだか大変』と思っているすべての人へ」と絶賛・推薦。
 
 
 
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書評:『血と暴力の国』(コーマック・マッカーシー)

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2012-11-5 14:08

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〈もやい〉関係者のお薦め本をご紹介させていただいています。
下のバナーよりアマゾンのページに入り、
ご注文をいただけると、ご購入金額の一部が〈もやい〉へのカンパになります。
 

 
 
 

『血と暴力の国』  コーマック・マッカーシー著  扶桑社

 
 
この作品はコーエン兄弟が監督した映画「ノーカントリー」の原作です。2005年に出版、
2007年に映画化され多くの映画賞を取りました。
また著者は2006年に「ザロード」でフィクション部門のピューリッツァ賞を受賞しています。
 
事実の流れは単純で、基本は犯罪小説です。常識的な社会の価値観の中で保安官をやっ
てきたベルと、常識的な価値観をまったく持ち合わせていない悪の象徴ような仕事引受人
シュガー。その2人の間で、麻薬組織の大金を偶然拾い逃亡を続けるモス、の3人の間で
物語りは展開します。
 
この小説の山場はすべての事件が終わった後の、叔父との対話の形式を取った独白とそれに
続く本当の独白にあると思われます。この独白に重みを持たせるためにそれまでのすべての
物語があった。
 
主人公ベルは、社会とはまったく関係の無い自分だけのルールで人を殺してゆくシュガーに
触れて、それまで持っていた価値を信じれなくなっていきます。信念を持てなくなっていく。
そしてシュガーと一度の対面をすること無く、魂の崩壊に耐えられず保安官をやめる。
残ったのは敗北感。
 
確かなもの・変わらないものと理解できないものとの対比が独白の中で続きます。その中で
私の心が動いたのは、彼の敗北感ではなく、「できる限り良く生きてきたつもり」のとても誠実
な主人公が、それまでの自分の人生を否定するところです。誠実さが敗北感に負けていく。
人は相反するような二つの価値を同時に持てないものなのでしょうか。
 
映画では、主人公の独白はほとんどカットされ、人を殺してゆくシュガーの不気味さに焦点
を当てたオカルト映画仕立てになっています。(石山ひろと)
 
 
 
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書評:『安心して絶望できる人生』

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2012-8-20 19:40

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毎月、〈もやい〉スタッフのお薦め本をご紹介させていただいています。
下のバナーよりアマゾンのページに入り、ご注文をいただけると、
ご購入金額の一部が〈もやい〉へのカンパになります。
 

 
 
 
 

『安心して絶望できる人生』

著者:向谷地生良、浦河べてるの家
NHK出版・生活者新書
 
 
【推薦文】
 
北海道・浦河の「べてるの家」のユニークな取り組みを初めて知ったのは、
今から十数年前。
私が新宿で路上生活者の支援活動を始めた頃のことです。
それ以来、「べてるの家」はずっと心にひっかかる存在であり続けています。
 
*べてるねっと(べてるの家の情報サイト)
http://bethel-net.jp/
 
2005年12月に〈もやい〉でコーヒー焙煎プロジェクト(「こもれびコーヒー」)
を立ち上げて以降も、「三度の飯よりミーティング」、「安心してサボれる職場
づくり」といった「べてる」的な理念を意識しながら、事業を進めてきました。
 
その「べてるの家」は、現在、〈もやい〉とも関わりの深いNPO法人TENOHASI
や国際NGO「世界の医療団」と協働し、池袋を拠点とした「べてぶくろ」という
プロジェクトを進めています。
 
*べてぶくろ
http://www.bethelbukuro.com/
 
「当事者研究」などの取り組みは、路上生活者支援の現場にも大きなインパクトを
与えています。
ますます、目が離せない「べてるの家」。
本書はその「べてる」を知る上での入門書になっています。(稲葉剛)
 
 
【書評】
 
 「安心して絶望できる」とはどういう意味だろう?絶望と安心の間には長い長い
距離がありそうなのに。絶望できる人生が良いものだとはとうてい思えないのに。
 
 著者名にある「浦河べてるの家」は、ソーシャルワーカーの向谷地生良(むかいや
ちいくよし)さんと仲間たちが北海道浦河町に設立した、統合失調症など精神障害を
かかえる人たちの共同体だ。生活共同体、働く場としての共同体、ケアの共同体とい
う3つの性格を持っていて、100名以上の当事者が地域で暮らしている。1984
年の設立以来、そのユニークな取り組みは書籍や講演などを通じて全国の人々に知ら
れるようになった。多くの書籍が出ている中、今回とりあげる『安心して絶望できる
人生』は、特に「当事者研究」に焦点を当てている。
 
もくじを見ると三部構成になっていて、第一部では向谷地さんの言葉で「べてるの家」
の歴史とその理念、「当事者研究」にいたるまでがコンパクトにつづられている。
ここだけで一冊の本になりそうな圧倒される内容だ(実際に本になっているので興味
のある方は「べてる」で検索してみてください)。第二部が本書の肝。実際の当事者
研究が、当事者自身の言葉で語られている。第三部は「私たちにとっての当事者研究」
という座談会を収録している。
 
 「統合失調症」はかつて「精神分裂病」と言われていた。かつて、といっても2002
年までなのでそんなに昔ではない。「精神分裂病」というと、恐ろしい病気のような
気がしていた。実際私は「気が狂う」ということのすぐ近くにある病だと思っていた。
しかしこの本の「当事者研究」を読んで、その認識は大きな間違いであることに気付
いた。なんと豊かな感受性をもって日々を生きているのだろうか、と。
「当事者研究」とは自分の病を自分で見つめ、研究する取り組みだ。本書では
 
<当事者自身が、「自己病名」という自分の実感を基につけたオリジナルな「病名」
をかかげ、起きてくる症状や人間関係をも含む、さまざまな生活上の生きづらさに
ついて、仲間と共に「研究」活動をはじめ、切実な問題を解明・解消していこうと
する試み>
 
と紹介されている。
 
「当事者研究」は治療の一環、とは言い切れない面がある。治る、ということに主眼
が置かれているわけではないからだ。では何に主眼が置かれているかというと「苦労
を取り戻す」こと。「統合失調症」をかかえる人たちは本来自分でしなければいけな
い「苦労」を奪われがちだ、と著者の向谷地生良さんは言っている。
 
<統合失調症を抱える当事者の苦しみは、病気を背負ったこと以上に、「本来の自分
らしい苦労を奪われている」ことだと思いました。人に心配され、保護され、管理さ
れる人生ではなく、自分らしい苦労が全うされる人生を取り戻すにはどうしたらいい
だろう>
 
と考えるのだ。病名を医者からつけられることで、支援側からケアされる人、管理さ
れる人になってしまうということを危惧している。だから「当事者研究」においては
自分の来た道を振り返り、自分で一番しっくりくる自己病名をつける。たとえば、
「魔性の女系人格障害幸せ壊しタイプ」とか「統合失調症サトラレ型」とか、思わず
くすっと笑ってしまうような名前がついている。そして、生活の中で困っていること
(たとえば多くの統合失調症の人は「幻聴」に悩まされる)にどう対処すればいいの
か、を仲間とともに研究するのである。
 
この本には実際の当事者研究10本(最初は導入的なものなので実質的には9本)が
紹介されている。そして、その一本一本すべてが素晴らしい研究だ。
彼らの言葉の豊かさ、感受性の豊かさ、そしてともに「べてるの家」で暮らす仲間た
ちによって引き出されるユーモアはどうだろう。私たち健常者とまったく変わらな
い、いや、病に苦しむからこそもっと人間らしい姿がそこにある。自分を見つめなお
し、病を見つめなおし、自分の中にある弱さをも認め、絶望することすらいとわず、
人とともに安心して生きようとする。
 
「当事者研究」によって、直接病が治るわけではない。しかし、自分の苦労を自分の
手で研究することによって、苦労する自分の豊かさに気づくのだ。私たちも必ず何か
の当事者として生きている。そのときに、彼らほど切実に真剣に自分の当事者性と向
き合っているだろうか。絶望せざるをえないような、深い苦労を抱えている彼らは、
それでも仲間とともに毎日を生きていく。「人間」とは本来こういうものではないか
と気づかせてくれる、そんな良書である。(山田麻紀子)
 
*****
 

 

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『間違いだらけの生活保護バッシング』刊行のお知らせ

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2012-8-19 11:29

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生活保護問題対策全国会議・編『間違いだらけの生活保護バッシング
−Q&Aでわかる生活保護の誤解と利用者の実像』が明石書店より
刊行になりました。

下記のように、生活保護問題対策全国会議のブログからも購入ができますし、
このページの右下にある「もやい関連書籍」コーナーよりアマゾンのページに入り、
ご注文をいただけると、ご購入金額の一部が〈もやい〉へのカンパになります。

ぜひご一読ください。

【以下、転送・転載歓迎】

◆生活保護問題対策全国会議からのお知らせ◆


生活保護問題・夏の緊急出版第2弾が出版の運びとなりました!
世間的に流布している誤解や伝説について、
Q&Aで説明しています。

とても読みやすく、わかりやすい内容ですので、
ぜひ、周りの方にも勧めてください。

書店で購入もできますが、
生活保護問題対策会議のブログからも購入できます。
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-4.html

よろしければ他の書籍と一緒にご注文ください。

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間違いだらけの生活保護バッシング
  −Q&Aでわかる生活保護の誤解と利用者の実像
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生活保護問題対策全国会議 【編】
発行:明石書店
発行日:2012年8月中旬 概要:A5版・120頁
価格: 1冊1050円(税込)

芸能人の母親の受給を機に、マスコミ報道・国会議員による追及など
かつてない規模で展開された生活保護バッシング。
 問題となった「扶養義務」とは?
 利用者は本当に「怠け者」で贅沢な暮らしをしているのか?

――これらの疑問にQ&Aで答える。生活保護にまつわる誤解を解き、
利用者の実像を伝える、コンパクトでわかりやすい一冊!


目次
第1章 Q&A:生活保護の誤解と利用者の実像
  ●そもそも生活保護って、どんな制度なの?
  ●親・きょうだい(扶養義務者)がいれば生活保護は受けられないの?
  ●人気お笑い芸人の母親が生活保護を受けていたことが話題になったけど、
   高額所得の息子がいるのに親が生活保護を受けるのはおかしくない
  ●諸外国では扶養義務と生活保護の関係はどうなってるの?
  ●扶養義務者に扶養できないことの証明義務を課す法改正をするって
   いう話が 出ているけど、改正したらどうなるの?
  ●生活保護の人はけっこう贅沢して楽しんでいるんじゃないの?
  ●保護費をギャンブルや酒に使っている人って一体何なの?
  ●生活保護受給者がどんどん増えて過去最多になったってホント?
   日本の受給者の数は多すぎるのでは?
  ●生活保護の基準が甘くなって、保護を受ける人が増えているの?
  ●働けるのに働かないで保護費を受け取っている人が増えてるんでしょ?
  ●生活保護を受けるのが「恥」だという意識が薄れてきて、平然と保護を
   受ける人が増えるのは困りものでは?
  ●日本の生活保護費は国や地方の財政を圧迫しているんでしょ?
  ●悪質な不正受給が増えているんでしょ?
  ●不正受給を取り締まるため、福祉事務所にどんどん警察官OBを配置
   したらいいんじゃない?
  ●年金や最低賃金の額よりも生活保護費の方が高いっておかしくない
  ●デフレなんだから生活保護費を下げても問題ないんじゃない?
  ●無駄な診療をなくすため、生活保護受給者にも医療費を窓口で
   一部自己負担させるべきでは?
  ●無駄をなくすため生活保護の住宅や食料などは現物で給付するよう
   したらどう?

第2章 生活保護利用者の声

第3章 マスコミによる生活保護報道の問題点(水島宏明)

第4章 生活保護“緊急”相談ダイヤルの結果報告

第5章 生活保護バッシング、餓死・孤立死事件と生存権裁判(井上英夫)

第6章 生活保護をめぐる最近の動きと改革の方向性(吉永 純)

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『「餓死・孤立死」の頻発を見よ!―生活保護バッシングで隠された真実』刊行のお知らせ

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2012-8-8 15:10

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全国餓死孤立死問題調査団では、札幌市白石区での40代姉妹(妹は知的障がい者)の
餓死・孤立死事件を中心に調査をした結果を緊急出版しました。

立川市での孤立死事件について、〈もやい〉の稲葉も執筆しています。

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書籍発行のご案内
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徹底調査・生活保護バッシングで隠された真実
 「餓死・孤立死」の頻発を見よ!

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(発行概要)
発行:あけび書房
発行日:2012年8月1日 概要:A5版・152頁
価格: 1冊1680円(税込)

http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2blog.net/blog-entry-68.html
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「貧しき者は死ねと言うのか!」

悲劇の根底には、あまりに貧困な高齢者介護、障害者福祉政策、
そして、非人間的な生活保護行政の姿がある。
各分野の専門家で結成した調査団が
その真相を徹底究明する。
〜生活保護バッシングの問題点徹底整理の諸声明も収録
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目次


はじめに  井上英夫
第1部 総論
 いま、貧困と生活保護はどうなっているのか?(尾藤廣喜)

第2部 札幌市白石区姉妹孤立死はなぜ起こったのか
 第1章 白石区姉妹孤立死事件の経緯と現地での取り組み(細川久美子)
 第2章 今回の調査目的と主な行動(吉永 純)
 第3章 札幌市・白石区福祉事務所との懇談(吉永 純)
 第4章 白石区生活保護利用者の切実な声(徳武聡子)
 第5章 姉妹孤立死事件と生活保護緊急110番の取り組み(渡辺達生、大賀浩一)

特別レポート
  SOSを何度も発したのに、救われなかった命(雨宮処凛)

第3部 全国各地で頻発する餓死・孤立死
 第1章 「餓死」「孤立死」問題全国調査の結果から見えるもの(小久保哲郎)
 第2章 ?[?川市で連続して孤立死事件発生(稲葉剛)
 第2章 ?△気い燭淹圓膿道?3人が孤立死(藤田孝典)
 第3章 「餓死」「孤立死」根絶のための提言

第4部 餓死・孤立死を生み出す貧困な社会保障政策(相野谷安孝)

資料編

あとがき(吉永 純)

 

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書評:『常世の舟を漕ぎて―水俣病私史』(訂正版)

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2012-7-2 22:48

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石山ひろとさんによる書評を先日掲載させていただきましたが、ミスにより後半部が抜けていました。
改めて完全版を掲載させていただきます。お詫びして訂正させていただきます。

◆◆◆

毎月、〈もやい〉スタッフのお薦め本をご紹介させていただいています。

今回はサロンの常連の石山さんに、『常世の舟を漕ぎて』の書評を書いていただきました。
「もやい」という言葉の意味についても書かれた本です。

2001年の〈もやい〉設立時に書かれた以下の文章もご参考にしてください。

現代社会の「もやい直し」へ!(稲葉剛)
http://www.moyai.net/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1

**************
 
 
 

『常世の舟を漕ぎて―水俣病私史』 

語り:緒方正人/構成:辻信一 1996年、世繊書房
 
 
本書は、6歳の時に水俣病で父親を亡くし、自らも水俣病を患う、漁師であり活動家の私史である。なかでも85年以降の遍歴が特異で面白い。

1953年生まれの緒方は、それまで関わってきた水俣病の認定を求める運動団体の会長を85年に辞任し、運動団体それ自体からも離れ、自らの認定申請までも取り下げてしまう。87年12月には個人としてチッソ正門前で座り込みを始める。何も要求しないで。ただそこに身を晒すだけだ。七輪を持ち込みサンマを焼き焼酎を飲む。気の済むまで続けるつもりで始め、翌年5月に日差しで地面が熱くなり、座り込みを止めている。しかも毎回夕方には家に帰ってしまう。とんでもない男なのだ。

緒方が会長を辞任し、団体からも離れたのは、裁判に勝って損害賠償金などを貰うと、事件が終わったことになってしまうからだ。かつチッソ・国・県の責任をいくら追及してみても、システムと言うものがあるだけで、そこには核となるべき責任の主体である人間が存在しないからでもある。認定申請を取り下げたのは、行政が水俣病であることをいつまでも認めないので、自分で自分を水俣病と認定することにしたからだ。

裁判闘争だけでなく、行政の認める患者からも降りた緒方が求めるものは、なんと痛みの共有だ。端的に言うとお金ではなく、心を求めるのだ。まったくとんでもないおっさんだ。
そしてそこには、責任など取れるものではない、という想いがある。

では取りきれない責任をどう償えば良いのか。お金も一つのあり方だろう。反省の伴わないお金があり得るとしても。緒方はここに痛みの共有を求める。これは一人のにんげん対一人のにんげんの関係を前提にしている。相手はチッソというシステムでもなく、社長や官僚や大臣と言う社会的存在の個人でもない。一人の人間として自分と向き合うことを求めているのだ。ところが更に考えを進め、こういうことになってしまった構造のその奥に、緒方を含めた私たち一人一人の責任があるのではないかと続ける。人が人を人と思わなくなった社会を作っている私たち一人一人に。

果たしてもし私が緒方と同じ立場に立ったとき、つまり父を殺され、自らも病に侵されている時、こんな行為や発言ができるだろうか。

本書は更に、自分の足で立つとはどう言うことかについても書かれている。いわく、鍵は自分の中にしかない。いわく、救いと言うのを社会を変革することというふうに考えないほうがいい。いわく、社会とか国家とかいう枠を取っ払ってしまった時、自分はいったい何者であり、何を拠り所として生きているのか。そしていわく、大切なのは、自分と自分を取り巻く世界との関係性の把握。

頭で解ることと、胸にすとんと落ちて実感を伴って納得することとは決定的に違う。ある日とつぜん胸に落ちて納得する。そしてそのとき初めて今まで頭でしか解ってなかったことを知る。つまり胸に落ちて納得したこと以外のすべての事柄は、頭で解っているのか、もう既に胸に落ちているのか、自分では判断できない。

本書を読んで、どれだけの言葉に自分が反応できるか、それを試すのも面白いと思う。
水俣病はとんでもない人間を生んだ。(石山ひろと)


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「カンタ!ティモール」(歌え!ティモール)

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2012-6-24 0:32

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  映画 「カンタ!ティモール」(歌え!ティモール)  

監督:広田奈津子

 
もやいの交流事業であるコーヒー焙煎では、発足当時から東ティモールやラオス
などからフェアトレードの豆を買い、焙煎して通信販売している。そんなご縁で、
5月19日、20日と二日間に渡って開催された「東ティモール独立10周年記念フェ
スタin Tokyo」にチームのメンバー達と出掛けて行き、私達はこの映画に出会った。
 
 

「彼の歌が耳から離れなかった」

 
わらわらと集まってくる子ども達に囲まれて、一人の青年が歌うその歌こそが、
この映画の出発点である。そのメロディは当時23歳だった広田奈津子監督の耳に
残り、再び彼女を東ティモールに呼び戻す。
「ねぇ仲間たち ねぇ大人たち 僕らのあやまちを 大地は知っているよ」
監督は東ティモールを何度も訪れ、この国の過去を遡りながら、この歌に隠された
本当の意味に触れて行く。
 
2012年5月20日、東ティモール民主共和国は独立10周年を迎えた。
東ティモールの歴史は侵攻の歴史である。この国は、ポルトガル、日本軍、そして
インドネシア軍に侵攻され、その度に深い傷を負わされてきた。この24年間の間だけ
で、人口の三分の一を失うほどの激しい殺戮を受けて尚、屈することなく独立を求め
続けた国だ。
そんな過酷な環境下に生きる島の人たちは、精霊や妖怪を信じ、自然と深くつながり、
 支え合いながら生きている。
「平和とはお金で買えるものじゃない。平和は演説じゃない。政策なんかでもない。
平和とは、暮らしそのもの」ただただ、穏やかな暮らしを切望してきた村人の言葉は
重い。
 
子ども達の弾けるような笑顔と元気いっぱいの歌声から始まるこの映画、思わず頬を
緩めながらその歌声や、カスタネットの音にも似た笑い声に聞き入ってしまう。しか
し、歌の意味を追うごとに、映画はこの島の過去を遡り、筆舌に尽くしがたいほどに
惨たらしい光景や証言でスクリーンが埋め尽くされていく。目も背けたくなるような
現実はしかし、この映画の中で効果的に使われる島の美しい音楽の調べによって慰め
られるかのようだ。
  
 侵攻するインドネシア軍相手に、ゲリラとなって抵抗を続けた独立派達は、家族や
仲間たちがいかに残酷に殺戮されようと、捕まえたインドネシア軍を殺さなかったと
言うから信じ難い。彼らは敵に食料を与え、真剣に対話をしたと言う。自分達がただ
平和な生活を守りたいこと、それは兵士として派遣される彼らも同じ筈であること、
そんなことを話して帰すのだそうだ。確かにインドネシア軍の規模を考えれば、小さな
島の独立派ゲリラが真っ向から勝負したところで玉砕は免れない。しかも質・量ともに
圧倒的なインドネシア軍は、国際社会が人道的見地から対インドネシア援助をストップ
した後にも、油田の利権を守ろうとした日本政府やオーストラリア政府の増額援助に
よって、武器は買い放題だったのだから。それにしたって私には信じることが難しい。
その高い意識、賢明さ、宗教者のように達観した赦しの哲学、それらをこの人たちは
何から、どのように学び、身に着けたのだろうか?
 
実に村の誰もが家族を失っている。
家族を8人殺された若者、虐殺された家族の名前を胸に彫って生きる老人、友人を
目の前で殺された青年が涙を流しながら、ある者は無表情で、また笑いながら当時を
振り返る。そして口を揃えてこう言うのだ。
「虐殺した側を恨んではいない。恨んでいては前に進めないから」その言葉を真剣な
まなざしでじっと聞き入る幼子たちがいる。
「こういう大人達を見てこの幼子たちは育つんです」と広田監督は静かに言った。
私が子供だった頃、周囲の大人達はどんなだったろう?そして、今、私は子供たちの
手本になるような生き方をしているのだろうか…そう思うとうつむいてしまった。
 
インドネシア軍侵攻時には「村人が団結する」のを恐れ、軍によって禁止されていた
伝統舞踊「テベテベ」(テベ:大地を踏むの意味)を独立の喜びに沸いた民衆が躍る。
互いの手を握って輪になり、力強く大地を踏みしめる姿は見るものの胸を打つ。
 
 悲願の独立から10年経った今も尚、経済的にきわめて貧しいこの国は、過去の悪夢
と現在の貧困に苦しみ喘ぎながら奮闘している。私は東ティモールの虐殺を後押しし
てしまった国に生きる一人として、無知を貫いてきたことに責任を感じている。「星
降る島」東ティモールに、そこに暮らす人々に、子ども達に、光ある未来をと祈らず
にはいられない。
 
 広田奈津子監督が、東ティモールで耳にしたある青年の歌は、その後広田監督と
一緒に日本に渡り、ソウルフラワーユニオンなどのミュージシャン達に歌い継がれて
いる。
 その歌は私の心にも棘のように刺さり、もの悲しいのに力強いメロディが耳について
離れない。
 
http://www.youtube.com/watch?v=vQ-e_RNEOoI
Youtube 「カンタ!ティモール」予告編
 
http://www.canta-timor.com/
「カンタ!ティモール」ウェブサイト
 
 
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書評:『カマやんの野塾−漫画 ホームレス問題入門』

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2012-6-1 13:48

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毎月、〈もやい〉スタッフのお薦め本をご紹介させていただいています。
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『カマやんの野塾−漫画 ホームレス問題入門』

ありむら 潜著  かもがわ出版
 
通勤の行き帰りにふと周りを見ると、駅のホームやビルの脇、バス停のベンチなどで
野宿の方々にお会いする。真夏の焼けるようなアスファルト、真冬の大雪、彼らは
どうやって過ごされているだろうか。。。といつも気になって仕方がない。半狂乱
気味に歩き続ける老女やあきらめ顔の若者たち。なぜ、彼らはこの生活に至ったのか?
なぜ家族や友人は手助けをしないのか?そして、それは自分自身には関係のない、
自分には起こり得ない問題だろうか?いや、これは別世界の話ではなく、自分の身近な
話であろう。何かしたい、じゃあ、どこから始めようか?まずは、知るところから。
 
文字を追うのが億劫な私は、ありきたりながら漫画から入ることにした。ありきたり
だと思っていたのだが、この本はとても明るく、ユーモラスで楽しく、内容がぎっしり
詰まって読み応え抜群。
 
主人公は大阪の釜ヶ崎を拠点に日雇い労働をしていたカマやん。戦争で両親を失った
戦災孤児で野宿歴が長い。歯が一本抜けて愛嬌のある表情と、どんなことでも前向きで
明るい性格。ある日、カマやんの近所にサラリーマンがフラっとやってきた。どこで
人生間違えたのか・・と悩む新米野宿者に、元銀行員や元経営者のご近所さんを紹介
して回る。このリストラさんは借金、離婚、病気などの7つの理由で野宿生活者となり、
七転やおきさんと命名される。自分のテントの周りを畑にすべくなれない手つきでクワ
を握るが耕し方がわからない。カマやんは農具の持ちかた、進み方の手ほどきをして、
サラリーマンにはない圧倒的な生活力を見せつける。また記憶喪失で自分探しの家出
少年・フワフワくんは漫画の画面いっぱいに動き回って、上下左右を地に足つかず、
フワフワした若者。時に無銭飲食をして補導され、カマやんが迎えに行くが、二人ともお
金がなくて支援者が二人を迎えに行くはめに・・釜ヶ崎で活躍するNGOの代表・アイ
リーンは一見欧米人なのだが日本語が出来、路上生活者支援に当たる街の人気もの。
 
強烈なキャラクターと愉快な会話、大阪ならではのボケツッコミにオチのついた
テンポのあるストーリー展開。時代背景に翻弄されて野宿となった人たちの人間味
溢れる魅力は、読者を引き込んでやまない。そして彼らはもしかすると、私たちの
近くの公園・路上に居るのかもしれない。生きる知恵と人間味の豊かな彼らは、逆に
生きる力と人間味を失いつつある企業社会に住む私にとって、皮肉にも何か羨ましい
コミュニティにも映るのである。
 
この本の持つ魅力が、読者にこの問題について身近に感じさせ、支援の輪が広がる
ことを期待する。
 
(たから)

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朝日新聞書評サイトに『貧困待ったなし!』の書評が掲載されました。

カテゴリ : 書評・映画評 投稿日時 : 2012-5-8 22:46

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朝日新聞社の書評サイトに、
鷲田清一(大谷大学教授)さんによる
『貧困待ったなし!ーとっちらかりの10年間』(もやい編、岩波書店)
の書評が掲載されました。
 
下記リンク先でご覧になれます。
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2012050700007.html
 
 
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