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【リンク集】生活保護改革2法案の問題点

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-11-8 17:07

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10月17日、政府は生活保護法「改正」案と生活困窮者自立支援法案を国会に再提出しました。
11月5日より参議院厚生労働委員会での審議が始まっています。

国会の動きについては、下記の記事をご参照にしてください。

■東京新聞:生活保護費の抑制「社会を切り崩す」 法改正反対で集会・座り込み(10月18日 朝刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013101802000126.html

■東京新聞:生活保護法改正 審議わずか8時間半 参院厚労委(11月8日 朝刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013110802000118.html


この両法案に関して、〈もやい〉スタッフが各媒体で発表してきた文章のリンク集を作りましたので、ぜひご活用ください。

なお、生活保護法「改正」案で、生活保護の申請にあたり申請書や添付書類の提出を義務づける条文(24条1項・2項)については、民主党との修正協議により「特別な事情があるときは、その限りではない」という但し書きが追加されました。
しかし、「特別な事情」であるかどうかを判断するのは福祉事務所側なので、水際作戦が強化されるという懸念が払拭されたわけではありません。
また、扶養義務強化などの問題点はそのまま残っており、生存権の侵害が広がる危険性が指摘されています。


*生活保護改革2法案の問題点に関するリンク集

■「水際作戦」を合法化させる生活保護法「改正」法案(稲葉剛)
http://bigissue-online.jp/2013/05/20/seikatsu-hogo/

■扶養義務強化が福祉現場に与える影響(稲葉剛)
http://www.moyai.net/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=294

■生活保護法改正法案、その問題点(大西連)
http://synodos.jp/welfare/3984

■生活保護の水際作戦事例を検証する(大西連)
http://synodos.jp/welfare/4583

■投票前に確認したい「生活保護」をめぐる議論と争点(大西連)
http://synodos.jp/welfare/4899

■新たな支援制度の実態とは――生活困窮者自立支援法の問題点(大西連)
http://synodos.jp/welfare/5308

 

 

〈もやい〉 を 資金カンパで ご支援ください。 オンラインで簡単にできます(「VISAカード」、「Masterカード」)。 http://www.moyai.net/modules/pico/index.php?content_id=15

生活保護引き下げに対する一斉審査請求をおこないました。

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-9-17 18:34

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今年8月から生活保護基準が引き下げられたことにより、
生活保護を利用している世帯の家計に大きなダメージが出ています。
 
この過去最大の引き下げに対して、全国の法律家や研究者、諸団体により
「1万人審査請求運動」が呼びかけられています。
 
*生活保護基準引き下げにNO! 争訟ネット
http://ameblo.jp/seiho-shinsaseikyu/
 
このかん、〈もやい〉でも生活保護利用者の方々に法律家らによる相談会の情報を伝える
とともに、独自にも2度、説明会を開催し、不服審査請求を呼びかけてきました。
 
本日(9月17日)午前10時、〈もやい〉理事長の稲葉剛が当事者の方々とともに
東京都庁を訪れ、東京都知事あてに不服審査の一斉請求をおこないました。
すでに郵送で請求した方も含めると、〈もやい〉が関わっている方だけで
24世帯(30人)が請求したことになります。
 
 

 
その後、11時より、東京都生活と健康を守る会連合会による記者会見(都庁記者クラブ)
に合流しました。
その場で、様々な団体が代理申請したものや生活保護世帯が自分で申請したものも含め、
すでに東京都内だけで計702世帯が不服審査請求をおこなったことが発表されました。
 
 
さらに午後2時からは、生活保護基準引き下げにNO!全国争訟ネット主催の記者会見
(厚生労働記者会)に合流しました。
 
記者会見では、生活保護の利用者3名の方が引き下げの影響について話をしました。
都内在住の70代の男性は、引き下げによって電気代を節約するため、クーラーを
使えなくなったと述べ、こうした政府のやり方に断固反対すると言いました。
 
 
全国争訟ネットの事務局からは、全国で不服審査請求に行なった方の数が少なくとも
計7671世帯にのぼることが発表されました(9月末までに請求予定の方を含む)。
世帯の人員で数えると、1万人を超える見込みです。
 
生活保護利用者へのバッシングが激しい中、これだけ多くの生活保護世帯の方が
生存権を守るために声をあげたことに、心から敬意を表したいと思います。
 
〈もやい〉からは、生活保護世帯を対象に行なった緊急アンケートの結果を発表し、
報道陣にぜひ生活保護世帯の暮らしの実態を報じてほしいと訴えました。
 
 
 
*生活保護基準引き下げに関する緊急アンケート結果
http://www.moyai.net/modules/d3blog/details.php?bid=1739
 
来年4月の二度目の引き下げにストップをかけ、早期に基準をもとに戻すため、
引き続き、皆様のご支援、ご注目をお願いいたします。(稲葉剛)
 
 
*****

 

〈もやい〉 を 資金カンパで ご支援ください。 オンラインで簡単にできます(「VISAカード」、「Masterカード」)。 http://www.moyai.net/modules/pico/index.php?content_id=15

生活保護基準引き下げに関する緊急アンケート結果

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-9-17 14:00

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今年8月から生活保護基準が引き下げられました。
〈もやい〉では、基準の引き下げが生活保護世帯の家計に与えた影響を調査するため、「もやい結びの会」会員を対象にハガキによる緊急アンケートを実施しました。

その結果、約6割の方が「食事にかけるお金をけずらないといけなくなった」、「電気など公共料金をけずらないといけなくなった」といった深刻なダメージを受けていることが明らかになりました。
また、段階的な引き下げや物価高、消費税の増税といった今後の動きに不安を感じると答えた方もたくさんいました。

以下はアンケート結果の概要です。

完全版はこちらから(PDFファイル)ご覧ください。

生活保護基準引き下げがもたらした深刻な影響を多くの方々に知っていただき、早急に基準をもとに戻すよう、一緒に声をあげていただければと思います。
(稲葉剛)


***********************

生活保護基準引き下げに関する緊急アンケート結果(概要版)

実施期間

2013年8月26日発送。9月11日までに到着。
発送数1247通。回答数287通(23.0%) 
ただし、発送した方の中には生活保護利用でない方も含まれます。生活保護を利用している方のみに回答をお願いしました。

◎属性


単身世帯 256
複数人世帯 15
無回答 16

単身世帯の年代
20代 1
30代 10
40代 34
50代 41
60代 75
70代 46
無回答 49

◎質問1:8月に生活保護費が下がって、どんな影響がありましたか。あてはまるすべてに○をしてください。


ア.食事にかけるお金をけずらないといけなくなった。 184(64.1%)

イ.電気など公共料金をけずらないといけなくなった。 172(59.9%)

ウ.人づきあいのお金をけずらないといけなくなった。    79(27.5%)

エ.そのほかの影響があった。(以下に詳しく)        120(41.8%)

オ.特に影響はない。 53(18.5%)


「エ.そのほかの影響があった。」の記述(抜粋)

・父が病気のため、葬式や、引越し、のための貯金ができなくなった。

・子供にはただの「我慢」と「節約」しかできない子育てはいいのでしょうか?不安です。

・電気代も上がった上に今年の猛暑でエアコンつけないわけにもいかず

・求職中なので面接に行く交通費や通信費が限られてしまう。

・クーラーがなく扇風キを買いましたが室温38℃になって気持ち悪くなり来年もこれだと死にます。少しでもためてクーラーの中古でもと思ってましたがこれもかなわなくなるのかと心配です

・病院へタクシーで通院してるので苦しいです。過呼吸でバスがのれないのです。

・生活はきりつめればなんとかなるけど気持ちがおちこんだ

・私の部屋はお風呂がありません。洗たく機も置いてはいけないのです。それらを全てを節約してます。

・社会から必要とされない存在だと、余計に感じるようになった

◎質問2:政府は来年4月と再来年4月にも基準を下げる方針ですが、そのことは知っていますか。


知っている 142(49.5%)

知らなかった 142(49.5%)

無回答 3(1.0%)

◎引き下げについてご意見・感想をお書きください。

  以下は記述の抜粋

・国は、弱者のいじめしかできないのか 悲しい日本になった。

・人間として生れて 人間として生きたいと考えてはゐます 生きるけんりは人間として誰にもあると深く考え思います

・事前に説明もなく、とつぜん変更決定通知書が届いたので、これが国のする事なのかと、あきれました。数千円下げられた分をいろいろな面で、けずらないといけないのでつらい。

・来年4月と再来年度分でいくら下がるのか、判らないが、公共料金食費から、けずるよりほかにない病気の事もあり、死んで、らくになりたい気になる。

・東京でオリンピックをやるくらいなら、保護費の引き下げをやめてほしい。

・生活保護費は最低限の金額なのに引き下げはおかしい。

・これからの生活がとても不安です。病気もかかえている為、精神的にも、とても辛いです。今後引き下げに伴い生活出来るのか不安です

・次の引き下げの時、物価が値上がりしていたら食事にかけるお金をけずるしかない。

・知人との交際もだんだん疎遠になってくる

・電話(プリペイド)市役所との連絡2ケ月3000。介護保険の未納(前年)の支払い月3000。公共料金値上げ 家にじっと死をまつのみです

・国の税金で生活させている身であまり意見などのべられない立場ですが、働きたくとも持病があり働けない立場なので困ります。

・私は来年2月で70才で保護基準が引き下げで4月で又引き下げで再来年4月又引き下げで消費税が上る。私は思います。もう老人は政府の手で殺してください。

・自分の一人の我慢でしたら、まだしも、ますますひもじい生活を送っています。

・日本の財政状況は理解しているつもりだが、持病にかかる薬品類が、手軽に買えなくなるのが、つらい。

・先々月あたりからパスタが1kgで60円、オリーブオイルが1Lで200円程値上がりしてます。円安が物価を引き上げております。月に5日程断食(体内の浄化をかねて)して食代を節約しております。

■生活保護基準引き下げに関する緊急アンケート・完全版(PDFファイル)

 

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生活保護基準引き下げにNO!全国一斉ホットラインのお知らせ(8月6日7日 10時〜20時)

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-7-31 22:46

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生活保護基準引き下げにNO!全国一斉ホットライン


8月1日から、生活保護費が引き下げられます。
これに対して「審査請求」という不服申立ができます。

「審査請求」って、どんな制度?どうしたらいいの?
生活保護の引き下げはこれで終わり?
生活保護を利用してて、これからが不安…。
国が決めたことだから、どうしようもないのでは?
自分は生活保護は利用していないから、関係ない?
これから生活保護を利用したいけど、大丈夫?

基準引き下げのこと、生活保護のこと、法律家・支援者がお答えします。
なんでもご相談下さい。

【開催日時】

8月6日7日 いずれも10時〜20時

【電話番号】

0120−193518(ひきさげイヤ)

【主催】

生活保護基準引き下げにNO ! 全国争訟ネット
http://ameblo.jp/seiho-shinsaseikyu/

【共催】

生活保護問題対策全国会議、全国生活保護裁判連絡会、ホームレス総合相談ネットワーク
首都圏生活保護支援法律家ネットワーク、生活保護支援ネットワーク静岡
東海生活保護利用支援ネットワーク、近畿生活保護支援法律家ネットワーク
生活保護支援中国ネットワーク、生活保護支援九州ネットワーク

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

また、審査請求についてのQ&Aや、お問い合わせについて、審査請求公式ブログを開設しています。
詳しくは、こちらをご覧下さい。

http://ameblo.jp/seiho-shinsaseikyu


今年8月から、生活保護基準が引き下げられます。
この基準引き下げは、

● 最大1割(平均6.5%も3年で引き下げられる。
● ほぼすべての世帯(96%)が引き下げの対象になる。
● 子育て世代ほど、たくさん引き下げられる。
● 「物価が下がったから引き下げ」は、利用者の生活実態にあってない。
● そもそも、物価下落を理由にしていいのかどうか。
● 生活保護を利用している人の意見を聞かずに一方的に決められた。

など、やり方も影響も、あまりにもひどいものです。

そこで、生活保護利用者のみなさん
みんなで「審査請求」という不服申立手続をしませんか?

やり方は簡単です。
不安なら誰かに代理人になってもらうこともできます。

…審査請求をしたら、
福祉事務所から嫌がらせを受けるかも?

いいえ。そんなことは許されせん。
それに、審査請求をするということは、

■ あなたが正式な不服申立の手続を知っていること
■ それが実行できること
■ あなたを支援してくれる人たちもいること

を、福祉事務所に対して示すことになります。

もし、何か言われたら、すぐに相談してください。

まずは、下の説明チラシ(2頁目は審査請求書のひな形)を、読んでみてください。
https://skydrive.live.com/view.aspx?resid=3275C9DB8E03FD84!303&cid=3275c9db8e03fd84&app=WordPdf

審査請求Q&Aはこちらをクリック!
http://ameblo.jp/seiho-shinsaseikyu/entry-11580374692.html

 

 

〈もやい〉 を 資金カンパで ご支援ください。 オンラインで簡単にできます(「VISAカード」、「Masterカード」)。 http://www.moyai.net/modules/pico/index.php?content_id=15

衆議院厚生労働委員会での参考人発言

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-5-31 13:29

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衆議院厚生労働委員会での参考人発言


5月31日午前、〈もやい〉理事長の稲葉剛が衆議院厚生労働委員会に参考人として呼ばれ、生活保護法「改正」法案に関する意見を述べました。
その動画は以下のページでご覧になれます。

*衆議院インターネット審議中継ビデオライブラリ
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42847&media_type=wb


以下に、発言の要旨と委員会で配布された資料を掲載します。

******************

 衆議院厚生労働委員会での発言要旨

NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長 稲葉剛


本日は発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。

私は過去20年間、東京都内を中心に約3000人の生活困窮者の方の生活保護の申請に同行してきました。なぜ申請の同行が必要かというと、一人で行くとほとんどの場合、「家族に養ってもらいなさい」、「働けるからダメ」などと言われて追い返されるからです。私たちが同行することで、生活保護につながった方もたくさんいますが、一方で支援の手を届けることができずに、路上生活のまま、貧困状態のまま餓死した人、凍死した人を、私は何人も見てきました。また、かろうじて生活保護につながっても、その時には結核やガンなどの疾患が手遅れの状態になり、命を落とした人にもたくさん会ってきました。

つい先日、5月24日にも、大阪市北区で28歳の女性と3歳のお子さんが亡くなっているのが発見されました。死因はまだ特定されていませんが、餓死の疑いがあると言われています。報道によれば、ドメスティックバイオレンスの被害から逃れるために転居をされており、大阪市に引っ越し前に一度、守口市で生活保護の相談をされていたということです。なぜ生活保護制度につながることができなかったのか、徹底した究明をしていただきたいと思います。

昨年1月には札幌市白石区で40代の姉妹が孤立死をされるという事件がありました。白石区の福祉事務所に三度にわたって相談に行っていたにもかかわらず、非常用のパンを渡されただけで、事実上追い返されていました。お手元の資料の7ページ目から9ページ目にかけて、情報公開請求で明らかになった白石区福祉事務所の面接記録の写しを添付しています。「急迫状態の判断」という欄を見ていただければわかりますが、ライフラインの状況など詳しい聞き取りをほとんどしていません。二回目、三回目の相談では、「保護の要件である、懸命なる求職活動を伝えた」とあります。要するに「がんばって、仕事を探しなさい」と言って追い返したわけです。

こうした餓死事件、孤立死事件は「氷山の一角」に過ぎません。資料の2ページ目にあるように、厚生労働省の「人口動態調査」に基づく統計で国内の餓死者数は1995年から急増し、95年から2011年までの17年間に「食糧の不足」が原因で亡くなった方は実に計1129人に及びます。年間70人近い方が「食糧の不足」により亡くなっているのです。しかも、実際は餓死であっても何らかの疾患を伴っていることが多いので、別の死因になる場合もあります。この数字自体が「氷山の一角」であるということを知っていただきたいと思います。

さまざまな事情により生活保護制度などの社会保障制度につながることができずに餓死、孤立死してしまう。制度の知識がなかったり、制度を利用するのが恥ずかしいという意識、スティグマから制度の利用をためらう人もたくさんいます。また、窓口に行っても、いわゆる「水際作戦」によって追い返されてしまう。貧困ゆえに餓死や凍死、孤立死に追い込まれる人は跡を絶ちません。これは政治の責任であり、私たち社会全体の責任です。

資料の6ページにあるように、国連の社会権規約委員会からも先日、日本政府に対して勧告が出されました。そこには生活保護の申請手続きを簡素化し、かつ申請者が尊厳をもって扱われることを確保するための措置をとるように求める、また生活保護にともなうスティグマを解消するよう政府は務めるべきだと書かれています。

そうした事実を前提に、今回の生活保護法改正案をめぐる動きを見ると、残念ながら改正の方向性が正反対を向いていると言わざるをえません。

政府が提出した生活保護法改正案について、私たちは、24条1項・2項の規定が、申請書や添付書類の提出を要件化するもので、違法な「水際作戦」を合法化する内容になっていること、親族の扶養義務を強化することで事実上、扶養を要件とするものだと批判してきました。

このうち、申請権侵害の問題については、与野党による法案修正により、一定の歯止めがかかったと評価しています。しかし、もう一方の扶養義務強化の問題は未だ解消されていません。

扶養義務が強化され、生活保護を申請した親族の資産や収入に対して徹底した調査がおこなわれることになると、当然、それは水際作戦の口実に使われることになります。資料3ページ目に掲載した日弁連の電話相談会の報告でもわかるように、今までも「家族に養ってもらえ」というのは最も多い追い返しの手法でした。今回の法改正により、各福祉事務所がこうした「水際作戦」を強化しかねないと懸念しています。

また、扶養義務が強調されると、生活に困って役所に相談に行く人にとって、「自分が申請すれば、親族の資産や収入が役所によって丸裸にされてしまい、家族に迷惑をかけてしまう」という意識が働くことになり、申請の抑制につながってしまいます。DVや虐待が過去にあったケースでは、親族に連絡されてしまうことで、自分や子どもの身の安全にも影響することがあり、これまでも問題になってきました。大阪で亡くなった母子の方も、もしかして家族に知られたくないという意識から助けを求められなかったのではないかと推測します。

生活保護の捕捉率は2割〜3割と推計されています。扶養義務が強化されてしまうと、ただでさえ低い生活保護の捕捉率がますます下がってしまいかねません。それは餓死・孤立死、貧困ゆえの死者が増加するという結果をもたらすものです。

それゆえ、改正法案の24条8項、28条、29条の各規定については削除または修正していただきたいと考えます。

ほかにも、生活保護利用者に生活上の責務を課すなど、修正案にはさまざまな問題が残されています。国連の社会権規約委員会が求める「尊厳をもった扱い」や「スティグマの解消」とは正反対に、生活保護の申請者や利用者、その家族を上から管理しようという発想が随所に見られます。

暴走している機関車が今まさに人々をひき殺そうとしている時に、自ら列車に飛び乗って軌道を変えてくれた方々には感謝しています。しかし残念ながら、列車の暴走は止まっていません。

今回の生活保護法改正は63年ぶりの抜本改正であり、拙速な形ではなく、もっと時間をかけて審議すべき問題だと思っています。生活保護を利用している当事者の声も聴いた上で、慎重に議論を進めていくべきです。

生活保護制度につながることができずに亡くなった方は、もはや声を出すことはできません。しかし、生きている私たちは、貧困ゆえに餓死された方、凍死された方、孤立死された方々の無念や絶望を想像することはできるはずです。貧困による死をなくすには何が必要なのか、何を変えるべきで、何を変えるべきでないのか。ぜひこうした観点から国会での議論を進めてください。ぜひ、政治の責任を果たしていただきたいと思います。


稲葉発言資料P1〜6
稲葉発言資料P7〜9
稲葉発言資料P10
稲葉発言資料 一括ダウンロード(ZIPファイル)

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「水際作戦」を法制化する「生活保護法改正法案」の撤回・廃案を求めて

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-5-15 14:00

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「生活保護法改正法案」の問題点

 
5月10日、自民党の厚生労働部会で生活保護法の「改正法案」が了承されました。
 
この「改正法案」には、生活困窮者を窓口で追い返す「水際作戦」を法制化・合法化させ、
親族扶養を事実上、要件化させる
という時代錯誤の内容が含まれています。
 
 
 
5月15日、生活保護問題対策全国会議は、この問題を広くメディアに知ってもらうために、
厚生労働記者会で記者会見を開催しました。
記者会見で発表された声明と関連資料は下記のブログに掲載されています。
ぜひご一読ください。
 
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-123.html
 
 
 
 
また、以下の新聞記事もご参照ください(一定期間を過ぎるとリンクが切れる可能性があります)。
 
■東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051490070137.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013051502000111.html
 
■毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20130515k0000m010015000c.html
 
 
 
 
記者会見では、〈もやい〉代表理事の稲葉剛も発言をしました。
その発言内容については、下記をご覧ください。
 
ぜひ、生活保護法「改正法案」の問題点を多くの方々に知っていただきたいと思います。
 
 
 
 

緊急アクション

 
17日には以下の緊急アクションも開催されます。ご協力をお願いします。
 
 
******************** 
 

餓死・孤立死を誘発する「生活保護法改正法案」の
撤回・廃案を求める緊急アクション

 
【日時】 5月17日(金) 昼12時30分〜13時30分
 
【場所】 衆議院第一議員会館前
     (地下鉄「国会議事堂前」駅1番出口すぐ)
 
※それぞれアピールしたいことを紙などに書いて持ち寄ってください。
※終了後、残れる方で一緒に議員会館まわりをおこなう予定です。
 
 ぜひお集まりください。
 
【呼びかけ】 生活保護問題対策全国会議
 http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/
 
 
*********************
 
 
 
 

【5月15日記者会見資料】

 

相談現場から見た
生活保護法「改正法案」24条1項・2項の問題点

 
            NPO法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事 稲葉剛
 
 
本年5月10日、自民党厚生労働部会は生活保護法改正法案(以下、「改正法案」と略す)を了承し、政府は今週中にも「改正法案」を閣議決定する方針です。
 
この「改正法案」の法的な問題点については、5月15日付けの生活保護問題対策全国会議による緊急声明に譲りますが、生活困窮者の相談・支援活動をおこなっている立場から、「改正法案」が成立・施行された場合に想定される問題点について指摘します。「改正法案」の問題点は多岐にわたりますが、ここでは24条1項・2項に絞って論じます。
 
〈もやい〉には生活に困窮された方々から、年間約1000件の来所相談と約2000件の電話相談が寄せられています。私たちはそれぞれ世帯の生活状況を聞き取り、必要に応じて申請の同行支援(年間200〜300件)や電話によるアドバイス等、生活保護制度を利用するためのサポートをおこなっています。これらは、福祉事務所の窓口が生活困窮者に適切に対応していれば、本来必要のない活動ですが、現在でも各福祉事務所において生活保護を必要としている人を窓口で追い返す「水際作戦」が横行しているため、やむをえず行なっている活動だと言えます。
 
「改正法案」24条1項は、生活保護の申請にあたり、氏名・住所だけでなく、要保護者の資産・収入状況、さらには「厚生労働省令で定める事項」を記載した申請書を提出しなければならないとしています。また第24条2項では申請書に「要保護者の保護の要否、種類、程度及び方法を決定するために必要な書類として厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない」と定めています。これらの規定は現行法にはないものです。
 
私たちの電話相談窓口には、首都圏以外の地域からの電話も多くあり、その中で「福祉事務所の窓口で申請書を出してくれない」という相談も多数含まれます。その場合、近くにつなげられる支援団体がなければ、「レポート用紙でも何でもいいので、紙に氏名・住所・日付と保護の申請意思を書き、提出してください」とアドバイスをしてきました。「改正法案」により申請書類が要式化されれば、こうした方法が使えず、窓口の「水際作戦」に対抗できなくなる危険があります
 
また、24条2項に定める添付書類とは、賃貸住宅の契約書や預金通帳、給与明細、年金関連書類などが想定されます。しかし、私たちの相談窓口に来られる方の中には、ドメスティックバイオレンスや親族による虐待に遭い、着の身着のままで逃げてきた人や、入居していた賃貸住宅から「追い出し屋」の被害にあってロックアウトされた人、路上生活中に荷物をすべて盗まれた人も少なくありません。関連書類の添付が法律で義務付けられれば、こうした人々が「添付すべき書類を持参していない」という理由で申請できなくなる恐れがあります生活の拠点を失うくらい困窮度の高い人ほど、申請が困難になるという状況が生まれかねません
 
「改正法案」には扶養義務の強化も盛り込まれており、これも「親族に養ってもらえ」という口実による「水際作戦」を強化するものです。また、「自分が申請すれば、将来にわたって親族の収入・資産等が丸裸にされる」という想いから申請抑制をする人も確実に増えるでしょう
 
報道各社は「現在でも水際作戦が常態化している」という状況を踏まえた上で、違法な「水際作戦」を法制化させる「改正法案」の問題点を報道していただきたいと思います。
 
以上
 
 
 
 
*****

〈もやい〉 を 資金カンパで ご支援ください。 オンラインで簡単にできます(「VISAカード」、「Masterカード」)。 http://www.moyai.net/modules/pico/index.php?content_id=15

3/30(土) 「生活保護基準引き下げは、すべての子どもの命と育ちと学びにどう影響するの?」

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-3-20 19:47

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 3/30(土) 「生活保護基準引き下げは、すべての子どもの命と育ちと学びにどう影響するの?」

 

 
********************************************************
 生活保護基準引き下げは、
 すべての子どもの命と育ちと学びにどう影響するの?
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*チラシのPDFはこちらでダウンロードできます。(別ウィンドウで開きます)
 
生活保護を受けていなくても、保育料があがるの?
就学援助金・奨学金が打ち切られるの?
虐待が増える?高校中退が増える?
その時、子どもたちの未来の社会はどうなるの?????
 
平成25年度予算案には生活保護基準の引き下げが盛り込まれています。
社会保障制度の「岩盤」である生活保護基準が引き下げられれば、市民生活全体に大きな影響がでることになります。
特に子育て世代の皆さんは生活保護を受けていなくても大打撃をこうむりそうです。
 
生活保護基準引き下げで私たちみんなの暮らしがどうなってしまうのか確かめます。
皆様お誘い合わせの上ご参加下さい。
 
   【日時】 2013年3月30日(土) 午後1時から4時
   【場所】 弘済会館4階
      (JR四ッ谷駅・麹町出口徒歩5分、地下鉄四谷駅・共通1番出口徒歩5分)
 
        ※入場無料(カンパ歓迎)・申込不要
 

■プログラム

〈第1部 シンポジウム〉

 生活保護基準引き下げは、すべての子どもの命と育ちと学びにどう影響するの?
 
もしも、日本全体が40人のクラスだったら。
どんな子どもたちがいるのでしょうか?
 
生活保護基準が引き下げられたら、どんなクラスになってしまうのでしょうか?
                 田尻敦子(コーディネーター 大東文化大学准教授)
 
「生活保護基準引き下げ」ってどんな話?
                 小久保哲郎(弁護士)
 
小学校・中学校・高校では?就学援助金や奨学金は?
                 青砥恭(NPO法人さいたまユースサポートネット代表理事)
 
幼稚園・保育園では?そして、介護・障がい・労働への影響は?
                 伊藤周平(鹿児島大学法科大学院教授)
 
子どもの虐待はどうなるの?
                 山野良一(千葉明徳短期大学教授)
 
子どもたちの未来は? 
                 吉岡力(団体職員)
 
どんなクラスにしたらいいの?

                  尾藤廣喜(弁護士) 

〈第2部 ワークショップ〉

 メッセージカードを書こう!参加者の声を共有しよう!
 そして国会に届けよう!
 
 
【主催】 「STOP!生活保護引き下げアクション!」
【連絡先】 大阪市北区西天満3−14−16西天満パークビル3号館7階
       あかり法律事務所 電話06−6363−3310
       弁護士  小久保哲郎
 
 
 

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「小野市福祉給付制度適正化条例」に反対の声をあげていきましょう!

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-3-15 17:00

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「小野市福祉給付制度適正化条例」に反対の声をあげていきましょう!

 

兵庫県小野市は2月27日、「市福祉給付制度適正化条例」案を市議会定例会に提案しました。この条例案は、生活保護費や児童扶養手当など「福祉制度に基づく公的な金銭給付」を「遊技、遊興、賭博等に費消してしまい、生活の維持、安定向上に努める義務に違反する行為を防止する」ことを目的とし、これらの行為を常習的に引き起こしている人を市民が見つけたら「速やかに市にその情報を提供するものとする」という条文が盛り込まれています。

兵庫県内で路上生活者支援に取り組んできたNPO法人神戸の冬を支える会は、条例案の撤回を求める要望書(下記)を小野市や同市議会に提出しました。

〈もやい〉もこの要望書に賛同しています。
 
また、生活保護問題対策全国会議はこの条例案に反対の意見書を出したほか、下記のとおり、全国から反対の意見書を小野市長と市議会に届けようというキャンペーンをおこなっています。
ぜひご協力ください。
 
条例案は3月27日の市議会定例会で採決される予定であり、可決されれば4月1日から施行されることになります。
福祉制度の利用者を監視の対象に置くことことは相互監視社会への道にほかなりません。
全国から反対の声を届け、条例案の撤回または廃案を求めていきましょう。
 
 
********************
 
小野市長 様
小野市議会議長 様
小野市市会議員 各位
 
要 望 書
 
2013年2月27日
 
特定非営利活動法人 神戸の冬を支える会
理事長 森山 一弘
 
1 私どもは、神戸市、姫路市、尼崎市をはじめ、県内各地域において野宿を余儀なくされている人、生活に困っている人への支援活動を行っているNPO法人です。今般、貴市市議会において「小野市福祉給付適正化条例」という条例案(以下「本条例案」という)が上程・審議される予定との報道に接し、その内容と問題性を到底看過することが出来ず、本条例案の市議会への上程を直ちに撤回し、またすでに上程された場合においてはすみやかに本条例案を廃案にされるよう、以下のとおり要望いたします。
 
2 本条例案は生活保護法、児童扶養手当法、「その他福祉制度に基づく公的な金銭給付」を「受給している者又は受給しようとする者」が、「偽りその他不正な手段により」給付を受けたり、「給付された金銭を、パチンコ、競輪、競馬その他の遊技、遊興、賭博等に費消し、その後の生活の維持、安定向上ができなくなるような事態を招」かないために、市民相互間に「市及び関係機関の調査、指導等の業務」への積極的な協力、情報提供の責務を定めるとともに、「小野市福祉給付制度適正化協議会」ならびに「小野市福祉給付制度適正化推進員」なるものを設置し、調査活動等にあたらせるという内容になっています。
 
 報道の見出しでは「生活保護費でパチンコだめ」などと報じられていますが、実は対象は生活保護制度利用者に限らず、しかも制度利用者のみならず「受給しようとする者」までを対象に含んでいるのであり、また問題とされている行為についても、賭博行為による金銭の費消に限定されず、きわめて広範でいかようにも解釈できるものになっています。
 
3 このように対象がきわめてあいまいでかつ市民に過大な義務を課す条例が実施されてしまえば、生活保護制度、児童扶養手当制度、その他福祉制度に基づく公的な金銭給付を受けている人、受けようとしている人は、たえず「適正化協議会」「適正化推進員」の監視と調査活動のもとにおかれ、情報提供と調査協力の「責務」を課された市民相互の監視体制のなかで、いつ指弾され、あるいは不利益処分を受けてもおかしくないという不安と恐怖の中で過ごさざるをえなくなります。
 
 それは疑心暗鬼と社会的憎悪の増大をももたらすものであり、このような社会は生活保護制度をはじめとしたさまざまな社会福祉・社会保障制度を利用していない人も含め、すべての市民にとって決して望ましいものとはいえないと考えられます。
 
 また、このような不安と監視のもとにおかれることへの危惧から、生活保護制度をはじめとするさまざまな社会福祉・社会保障制度の利用を躊躇することにもつながりかねず、困窮状態にある人たちの生活状況をさらに悪化させ事態を深刻にしてしまうおそれもあります。
 
4 もちろん、偽りもしくは不正な手段で、本来要件を欠く社会福祉・社会保障の給付を受けることは許されることではありません。しかしこれは現場において適切に対処することにより解決しうる問題であり、またそのように解決がはかられるべきものです。いわゆる「不正受給」とされている事案については、本来不正といえないようなケース、適切なアドバイスにより未然に防止できたケースも少なくないことが全国各地から報告されており、その発見と解決のためには高度の専門的知見を要するケースも存在します。その意味で問題解決のためには、すでにある福祉事務所をはじめとした公的機関の拡充とサポートの質の向上こそが求められているのであり、本条例案にいう「協議会」「推進員」の効果のほどは疑わしいといわざるをえません。
 
5 また、パチンコや競馬・競艇といった公営ギャンブルにのめりこんでしまい、さまざまな社会福祉・社会保障制度を利用しながらも生活困窮に陥ってしまうという事案が少なからず存在しているのは事実です。しかし、そのような事案において、当事者が継続して自立生活を送っていくために必要なことは決して監視や恫喝ではありません。
 
 今日においては、そうした事案の背後には、たとえば依存症の問題が横たわっていることが多いと指摘されています。あるいは当事者がさまざまなレベルでの発達障害を持っていることによる困難が背景にあるケースもあります。そうした場合において必要なのは、専門的知見もふまえながら粘り強く行われる医療的ケア、あるいは公的機関や民間諸団体によっておこなわれるソーシャルワーク-自立支援なのであって、その根底におかれるべきなのは当事者の自由の尊重であり、根源的な意味での当事者への信頼です。そして、そのサポート、ソーシャルワークの質の向上のために必要なのは、やはり既に存在している福祉事務所をはじめとした現場のサポート体制の拡充であり、あるいは民間でさまざまに取り組まれている支援活動への助成です。
 
 ところが本条例案は、根底にあるべき自由の尊重と当事者への信頼をそこなうものとなっています。その問題点はたとえば本条例案4条3項が、生活保護法27条2項に「前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し」とある条文をひくに際し「受給者の意思を尊重し」と言い換えているところにも、端的にあらわれています。そして本条例案によってもたらされる不安や疑心暗鬼の増大は、地道に取り組まれているさまざまな当事者の自立支援に向けた取り組みを推し進めるどころか根底から覆しかねないものでもあります。
 
6 以上にみるとおり、この本条例案は、実施されれば生活保護利用者をはじめとする社会福祉・社会保障制度利用者の自由と権利を侵害し、市民の間に不安と社会的憎悪を増大させ、私たちの支援活動はもとより市民生活全般に多大な悪影響を及ぼしかねないとの危惧を抱かざるをえないものです。ただちに市議会への上程を撤回し、もしくはすみやかに廃案にされるよう要望いたします。
 
 なお、以上の要望書については本日現在において下記のとおりの団体賛同を得ており、さらに全国各地から賛同の声が寄せられていることを付言いたします。
 
 
********************
 
【生活保護問題対策全国会議のブログより】
 
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-109.html
 
 小野市福祉給付制度適正化条例に対しては、先日、当会からも小野市に対して、反対する内容の意見書を提出いたしましたが、予断を許しません。この条例に反対の方は、かんたんな反対意見書ひな形を作成しましたので、どうぞ、一緒に反対の声を小野市に届けてください。
 
■条例案
http://www.ono-sigikai.jp/?id=283
 
■当会の意見書
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-108.html
 
■反対意見提出の方法
 
  宛先:小野市議会事務局
 
         (1)郵送 〒675-1380 兵庫県小野市王子町806-1
 
       (2)FAX 0794-63-4108
 
       (3)メールフォーム http://www.ono-sigikai.jp/inquiry.php から。
 
ご協力の程、どうぞよろしくお願いします。
 
 
印刷用(PDFファイル)はこちらからダウンロード(別ウィンドウで開きます)
https://skydrive.live.com/?cid=3275c9db8e03fd84&id=3275C9DB8E03FD84%21238
 
(反対意見書ひな形)
 
要 望 書
 
小野市長様
小野市議会議員の皆様
 
 第384回市議会定例会議案第17号議案「小野市福祉給付制度適正化条例」について、上程を撤回あるいは廃案にしてください。
 
1.この条例による規制の対象(2条1項)は「福祉制度に基づく金銭給付を受給している者又は受給しようとする者」となっており、市民全員が条例による規制の対象になってしまいます。
 
2.生活保護費や福祉給付の使途については、本来、利用者に自己決定権があるのにこれを制限するもので(3条1項)、憲法13条で保障された個人の尊厳、生命、自由及び幸福追求の権利を侵害するものです。
 
3.市民による情報提供の対象が受給者の生活全体を示しているため(5条3項)、受給者は常に監視の視線を感じながら生活しなければならなくなります。
 
4.誰が「受給者」が判明しないため、市民が市民を疑心暗鬼のまま監視するという不健全な社会になります。
 
5.生活保護や福祉給付を利用することについての偏見を強め、必要な社会保障を利用できなくなります。
 
6.生活の安定に支障を来すほどのギャンブルや浪費は、それ自体が依存症の可能性も高く、条例で制限・通報して指導するだけでは解決しません。
 
 
     年  月  日
 
 
(住所)
 
 
(氏名)
 
 
******************** 

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〈STOP!生活保護基準引き下げ〉3月6日(水)厚労省前アクション・国会デモやります!

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-2-27 15:44

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 〈STOP!生活保護基準引き下げ〉

3月6日(水)厚労省前アクション・国会デモ

 
 生活保護基準引き下げを含む平成25年度予算案が、いよいよ国会での審議に入ろうとしています。2度の院内集会に引き続いて、〈STOP!生活保護基準引き下げ〉アクションでは、次のとおり、厚労省前抗議アクションと国会請願デモを企画しました。
 
 今度は、直接、国会の前で国に対して私たちの思いを届けませんか。
  
 働いてる人も、
 働けない人も、
 年金で暮らしてる人も、
 病気の人も、
 障害を持っている人も、
 生活保護を利用している人も、
 生活保護を利用していない人も、
 フツーに暮らしている人、みんなが困る”生活保護基準引き下げ”に、
 「ちょっと待った!」と一緒に声をあげませんか?
 
    *   *   *
 
 
【当日の流れ】
 
 14:45  集合(厚労省前)
   地下鉄「霞ヶ関」駅B3a出口すぐ
 http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/
 
 15:00〜  厚労省前抗議アクション
 
 15:40 (日比谷公園西幸門へ移動・準備)
 
 16:00〜 ”いのちの最終ラインを切り下げないで!”国会請願デモ(仮称)
 
 17:00〜 解散・休憩
 
 これでは足りない!という方は…。
 18:00〜 水曜夕暮れ官邸前 このまますすむと困っちゃうアクション
 
*チラシのPDFはこちらでダウンロードできます。
https://skydrive.live.com/?cid=3275c9db8e03fd84&id=3275C9DB8E03FD84%21235
 
【3・6アクションについての問い合わせ】
 
 〒162-0814 東京都新宿区新小川町8-20 こもれび荘 もやい気付
 電話:090-6159-8787(稲葉)
 
 
 
**********

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緊急院内集会「生活保護の引き下げに正義はあるのか!?」が開催されました

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-2-20 12:07

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緊急院内集会報告「生活保護の引き下げに正義はあるのか!?」

 
2月19日(火)、衆議院第一議員会館で緊急院内集会生活保護の引き下げに正義はあるのか!?」が開催されました。
外は雪が降るという悪天候だったにもかかわらず、約230人が参加し、与野党の国会議員(秘書の代理出席も含む)も多数参加しました。

集会では、まず小久保哲郎弁護士が生活保護基準引き下げを盛り込んだ平成25年度予算案の問題点を簡潔に説明しました。
その後、NPO法人さいたまユースサポートネット代表の青砥恭さんが、子どもたちの世界に広がる格差と貧困の問題について、事例やデータをもとに報告されました。
 

後半は引き下げによって影響を受ける7人の当事者の方から発言がありました。
その一部はフリージャーナリスト、田中龍作さんのウェブサイトで紹介されているので、ご参照ください。

田中龍作ジャーナル:【生活保護費削減】 「これ以上破壊されたら命を絶つしかない」

http://tanakaryusaku.jp/2013/02/0006691

集会の最後に、「STOP!生活保護基準引き下げ」アクションの呼びかけ人の一人である宇都宮健児弁護士が発言。
「本来なら予算審議で生活保護の当事者を参考人として呼ぶべき。引き下げありきの議論は生存権を形骸化するやり方であり、徹底的に闘う」とアピールしました。

集会の中では、各議員からのアピールもありました。長妻昭衆議院議員の発言は毎日新聞でも取り上げられたので、こちらもご覧ください。


********************

http://mainichi.jp/select/news/20130220ddm012010118000c.html

生活保護費:基準引き下げ 38制度で非受給者影響
毎日新聞 2013年02月20日 東京朝刊

教育や福祉、医療関連などの各種支援制度で、生活保護費を削減すると保護を受けていない低所得者層にも負担増をもたらしかねない制度が38に上ることが分かった。民主党の長妻昭議員が19日、削減に反対する集会で政府提出資料をもとに公表し、「政府は当初14と答えたが、後からどんどん増えた。削減を拙速に決めてはいけない」と批判した。

◇教育関連など

長妻氏によると、学用品代や修学旅行費積み立てを支援する就学援助、保育料減免など教育関連5制度が含まれる。このほか養護老人ホームへの入所や障害福祉サービスの負担上限、交通遺児らへの貸付金、公営住宅家賃減免など幅広い制度に及ぶ。いずれも生活保護を基準に利用対象者を決める仕組みで、基準の引き下げで利用できなくなる人が出る。

政府は「(他の制度に)波及しないようにしたい」などとしている。集会は、弁護士や労組などで作る「STOP!生活保護基準引き下げ」アクションが開いた。【東海林智】

********************

「STOP!生活保護基準引き下げ」アクションでは、3月6日(水)午後にデモも予定しています。
詳細はまたお知らせします。(稲葉剛)

 

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生活保護費を大幅削減する平成25年度予算案の撤回を求める緊急声明

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-2-14 1:35

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【声明発表と記者会見】
 
生活保護費を大幅削減する平成25年度予算案の撤回を求める緊急声明
 
 
 「STOP!生活保護基準引き下げ」アクションでは、2月13日(水)、「生活保護費を大幅削減する平成25年度予算案の撤回を求める緊急声明」を発表し、厚生労働記者会で記者会見をおこないました。
 
 今回の緊急声明は、〈もやい〉を含む全国の222団体が賛同・連名しています。
 
 声明文の内容と賛同団体一覧は、下記リンク先をご覧ください。
 
  http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-103.html
 
 
 記者会見では、東京都内で生活保護を利用する日笠方彦さんが発言し、「事故で身体障がい者になり、生活保護を利用している。各地の学校で話をしたり、そこで知り合った学生と交流をするなどして社会参加をしているが、保護費が削減されて使えるお金が減れば、社会参加の機会も制限されてしまう」と訴えました。
 

 「STOP!生活保護基準引き下げ」アクションでは、2月19日(火)にも院内集会を開催します(詳細は下記リンクにて)。
 
 引き続き、ご注目をお願いします。
 
 ★ 緊急院内集会 第2弾 『生活保護の引き下げに正義はあるのか!?』
   http://www.moyai.net/modules/d3blog/details.php?bid=1638
 
 
 
 

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2/19(火) 緊急院内集会 第2弾「生活保護の引き下げに正義はあるのか!?」

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-2-10 18:34

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【2月19日(火)】
 

緊急院内集会 第2弾 『生活保護の引き下げに正義はあるのか!?』


 
 政府は、1月29日、生活保護費を6.5%大幅削減する平成25年度予算案を取りまとめました。
 
 この案は、生活保護基準を「10%カット(最大)」という結論を導くために、専門家による社会保障審議会の生活保護基準部会の報告書では触れてさえいない「デフレ論」を持ち出した極めて恣意的なものです。
 
 また、政府は、批判の高まりを受けて、就学援助等の他制度への波及を回避するといい始めています。 しかし、生活保護基準がナショナル・ミニマムである以上、そのようなことができるはずがなく、批判をかわすための「まやかし」に過ぎません。
 
 はたして、このような生活保護の引き下げが許されるのでしょうか。
 
 影響をうける当事者の方々の声を聞きながら、一緒に考えませんか。
 
 
開催概要

  【日 時】 2013年2月19日(火) 12:00〜13:30
 
  【場 所】 衆議院第1議員会館 多目的ホール (地下鉄「国会議事堂前」駅すぐ)
 

  【プログラム】

   ■ 基調報告 「平成25年度予算案の問題点」 小久保 哲郎 (弁護士)
 
   ■ 特別報告 「就学援助から見た子どもの世界に広がる格差と貧困」
          青砥 恭さん
          (NPO法人さいたまユースサポートネット代表・明治大学講師)
 
   ■ 影響をうける当事者の方々の声
 

   【司会進行】 雨宮処凛 (作家)
            稲葉剛 (NPO法人自立生活サポートセンター・もやい)
 
 
  ★一般参加の方へ 〜 おことわりとお願い★
    
   ☆一般参加の方は11:45から上記1階ロビーで通行証を配布します。
   ☆定員は300名です。用意した通行証がなくなった場合、中に入れません。
   ☆多くの方に参加していただくため、会場は椅子席のみとさせていただきます。
   ☆おそれいりますが、あらかじめ、ご了承下さい。運営にご協力願います。
 
 
  【主催】 「STOP!生活保護基準引き下げ」アクション
         http://nationalminimum.xrea.jp/
 

 

 

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緊急院内集会「生活保護の引き下げは何をもたらすのか」レポート

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-2-2 13:28

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緊迫感を増した状況の中

 
冒頭、司会のひとり雨宮処凜さんが、
 
「1月27日って私の誕生日だったんですよ」
「嬉しかったのに、最悪な日になってしまった」
 
同じ日、同じ数字の並びに、良い意味も悪い意味も見い出せる。
数字それ自体に意味はない。
意味を見いだすのは人の想いで、想いの裏には現実の暮らしがある。
 
2月1日のこの日、「STOP!生活保護基準引き下げ」アクション主催による
緊急院内集会「生活保護の引き下げは何をもたらすのか」が
衆議院第1議員会館にて開かれました。
 
 
 
当初は生活保護基準部会が出した報告書内容を検証する勉強会、という位置づけでしたが
くだんの1月27日に厚労省が基準引き下げを発表。
29日には閣議決定されるという緊迫感を増した状況の中、開催と相成りました。
 
 
 

「このまま進めば、社会から逃げ場がなくなっていく」

 
「政権党の執念を感じる」
基調講演に立った花園大学の吉永純さんは、講演の中で何度かこの「執念」という言葉を使われました。
 
「最初から生活保護費を450億円を削減する、という数値目標を設定していることは大問題だ」
「これは(受給者数をコントロールして餓死者を出した)『ヤミの北九州方式』とやり方が同じ。日本全国が『北九州化』するだろう」
 
 
過去最大となる今回の引き下げが、実際の制度利用者の声と生活実態を、全く無視した上で決められていることを批判した上で、
 
「これは、格差は固定したままでいい、というメッセージだ」
「このまま進めば、社会から逃げ場がなくなっていく」
 
 
 

もっとも影響を受けるのは、子供がいる世帯

 
「子供期に貧困に晒されると、それは一生涯ずっと影響が残るんです」
続いて登壇された千葉明徳短期大学の山野良一さんが訴えます。
引き下げによってもっとも影響を受けるのは、約一割下がるという子供がいる世帯。
親の学歴・収入が、そのまま世代間で引き継がれていく『貧困の連鎖』。
それがますます断ち切りづらくなっていくだろうと、山野さんは指摘します。
 
「さらに虐待の問題もあります。子供が一時保護される比率は、課税世帯と非課税世帯を比べると、現状で2.03倍もの差がある」
 
「生活保護があるからこそ、この数字で食い止められているんです。基準引き下げによって、さらに虐待は増え、親から引き離される子供も増える可能性があります」
 
(メモをとりながら聴き入る参加者の方々) 

 

『じゃあ、あなたはこの金額で暮らせますか』

 
元ケースワーカーの田川英信さんは、
その立場から、今回示されたケースワーカーの指導権限強化に警鐘を鳴らします。
 
「自分が係長だった時に、若手の職員が
『ちょっと保護費が高すぎるんじゃないんですか』って言って来たんです」
「私は言いました。
『じゃあ、あなたはこの金額(生活扶助83700円)で暮らせますか』
すると若手は、しばらく考えて言いました。
『ああ、無理ですね。呑みにも行けない』って」
 
「『生活保護は恥だ』という意識を助長しようとしている。それは絶対、避けなくてはなりません」
 
 
 
 

制度を利用している方々も…

 
続いて登壇されたのは、制度を利用している当事者の方々。
『生存権裁判』の元原告だった八木明(めい)さんが声を詰まらせます。
「今、キャベツは250円、大根は200円近く、ほうれん草は180円もするんです。
『物価が下がったから保護費も下げる』なんて、大嘘です!」
 
 
そうして、最後に登壇されたのは、中学三年生の女の子でした。
 
昨年、児童相談所の一時保護施設にいたという彼女は、その場所で
一日一個のパンで過ごしていた子、
兄弟姉妹がばらばらに引き取られてしまった子、
貧困によってさまざまに傷つけられた仲間たちと出会ったそうです。
 
「これは国が、子供に虐待を加えているのと同じです」
「私はこういう子たちが、少しでも笑えるように、これから活動していきたいのです」


 

この距離を埋めるために

 
集会が催された衆議院第1会館のすぐ隣が、他ならぬ閣議決定が行われた首相官邸です。
プログラム終了後、そこまで歩いてみました。
 
ゆっくり大股で歩いて、50歩。
たったそれだけ。
それだけの距離の、何という遠さなのでしょう。
 
 
本集会に来られた方は270人というアナウンス。院内集会としては大盛況でした。
 
 
ただの数字ではない、それら生身の人々が手を繋ぎ合って、少しでも距離を埋めていくほかありません。
 
(佐々木 大志郎)
 
 
 
**********

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「STOP!生活保護基準引き下げ」アクション 署名提出・記者会見レポート

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-1-23 3:23

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 ■雨は上がった
 
1月22日、厚労省内において「STOP!生活保護基準引き下げ」アクションによる反対署名提出と要請行動が行われました。

(生活保護問題対策全国会議の要請書はこちら)

今日は朝からあいにくの雨でしたが、「生活保護改悪反対」のメッセージクロスを掲げて省内へ入場するちょうどその頃、晴れて陽光が差してきたのでした。
 

 


 
■「亡くなってから慌てるんじゃ遅いんだ」
 
厚労省内に移動し、対応した保護課長補佐に、保護基準引き下げ反対署名14万票が渡されました。
 
 
 
続いて「アクション」のメンバーより順に、要請を行いました。
もやい理事長の稲葉剛はその中で、
「今回の引き下げで、高齢者が冷暖房費用を十分に賄えず、体調を崩す人が出る恐れがある。亡くなってから、慌てるのでは遅い」
 
受給の当事者として参加した川西浩之さんは、
「車椅子の生活では、自由に動け、健康に暮らせる部屋を借りるには7万円程度かかってしまう。減らすより、むしろ加算してほしい」
と訴えました。
 
 
 
 
 
■「子供に貧困の責任はない」
 
続いて同省内の会見場にて記者会見が行われました。
「アクション」のメンバーが一致して強く訴えたのは、この『改悪』でもっとも引き下げ率が大きくなるのは、子育て世帯だという点でした。
弁護士の宇都宮健児さんは、
「政府は『貧困の連鎖』の解消をうたいながら、一方で逆のことをやっている。子供に貧困の責任はない」
と強い憤りを表明しました。
 



 
 
■「私は怒っている」
 
続いて当事者の方々も発言しました。
そろって語るのは、受給者の本当の生活実態を報道しないメディアへの不審でした。
 
老年加算廃止を不当として、裁判で長年争っている鈴木カツ江さんが、声を詰まらせます。
「加算を廃止され、そこからさらに下げるなんて食べていかれない。雇用が不安定な仕事につく息子たちには、どんなに具合が悪くとも、付き添ってとは頼めません。だからどんなに苦しくても、苦しくても、我慢しています」
自分よりはるか年下の私たちへ訴えるのです。
「戦争の時、私はお国の為に厳しい生活にも堪えてきました。そしてここへ来て、目の前にはなんでもある。でも、私にはお金がないから食べられない」
「80歳の私は、怒っています」
 
 


■アクションは続く
 
会見のあと申し入れていた、与党への要請書提出は拒否されました。
報告書・基準引き下げを既定路線としたい強い意志を感じます。
それでも、やれることはまだまだあります。
 
2月1日(金)に、衆議院第1議員会館にて、緊急院内集会
「生活保護基準の引き下げは何をもたらすのか」
が行われます。
引き続き訴えていきましょう。
 (佐々木 大志郎)
 
 
 
 *****

 

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生活保護基準引き下げ方針に反対する緊急アクションと声明発表

カテゴリ : 生活保護 投稿日時 : 2013-1-17 16:02

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生活保護基準引き下げ方針に反対する

緊急アクションと声明発表


 
 1月16日、厚生労働省で開催された 「社会保障審議会・第12回生活保護基準部会」は、
生活保護基準と低所得者(最も所得の低い10%の層)の消費実態と比較した上で、子育て世帯や20〜50代の単身者などの生活保護基準が低所得者の消費水準を上回っているとする「報告書案」を発表しました。

 この報告書案を受けて、
 田村憲久厚労相は生活保護基準引き下げの方針を改めて明言しました。
 

 こうした動きを受けて、16日には生活保護問題対策全国会議と生存権裁判を支援する全国連絡会は、厚労省前で緊急の抗議行動をおこないました。

  また、生活保護問題対策全国会議は緊急声明を発表し、厚労省記者会で記者会見をおこないました。
 
 
 声明では、そもそも生活保護の捕捉率が諸外国に比べて非常に低く、受給漏れの人が大量に取り残されている現状では、下位10%の低所得世帯の消費支出が生活保護基準以下になるのは当然のことであり、こうした統計を用いること自体が誤りだと指摘しています。

  詳しくは下記のリンク先をご覧ください。
 
生活保護問題対策全国会議
  「社会保障審議会第12回生活保護基準部会を踏まえての緊急声明」
  
   http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-95.html
 
 
 
 この日のアクションと記者会見は、マスメディアでも報道されました。
 以下に毎日新聞とNHKのネット版の記事を掲載します。
 
 厚労省前での緊急行動は、18日(金)午前9時からも予定されています。
 
 
 
***************
 
 
【毎日新聞記事】
 
 http://mainichi.jp/select/news/20130117k0000m010112000c.html


<生活保護費>切り下げ反対 市民ら抗議集会


 生活保護の制度と水準の見直しを巡る議論が大詰めを迎えた16日、東京・霞が関の厚生労働省前では、市民団体やNPOが抗議集会を開き、生活保護費の切り下げ反対を訴えた。
 
 この日は社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の二つの部会が午前と午後にそれぞれ開催。合間の正午、厚労省前の路上に数十人が集結した。NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の稲葉剛代表理事は「受給者の生活の実態を見ないまま統計の操作だけで保護費を切り下げるのであればおかしい」などと訴えた。
 
 夕方には省内で記者会見もあり、生活保護問題対策全国会議が「新政権が物価を上げると明言する中で引き下げられると、低所得者の生活がダメージを受ける」とする声明を発表した。
 
 【佐藤丈一、遠藤拓】
 
 

***************
 

【NHKニュース】 (リンク先に動画あり)
 
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130116/k10014843161000.html


生活保護受給者から不安の声


  生活保護の受給者を支援しているグループの事務所には、受給者や生活に困った人から毎日、住居や生活費についての相談が寄せられています。
 
 先月グループが行った電話相談では、2日間で全国からおよそ1000件の相談が寄せられ、生活保護費の引き下げに反対する声が相次いだということです。
 
 中には、「仕事がないのに支給額がカットされると生活が成り立つか不安だ」とか、「今でもギリギリの生活で今後が心配だ」といった不安の声が寄せられていました。
 
 支援グループは、16日の検証結果を受けて、厚生労働省の前で集会を開きました。
 集会には生活保護の受給者や支援者およそ70人が参加し、「生活保護の引き下げ反対」と声を上げて訴えました。

 10年ほど前から生活保護を受けている都内の51歳の男性は「足や目に障害があり、仕事をすることができず生活保護のおかげで生活できている。基準額が引き下げられると食費を削るしかなく生活が立ち行かなくなる」と訴えました。
 
 集会を開いた生活保護問題対策全国会議の稲葉剛幹事は「今回比較の対象となった収入が低い世帯の支出が低すぎるので、生活保護を引き下げるのではなく、こうした低所得者の収入を引き上げることが必要だ。支給の基準額が引き下げられると、住民税の非課税基準などほかの低所得者対策への影響もあり、貧困のスパイラルが起きるので、引き下げるべきではない」と話していました。
 
 
 
 

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